ビジネスシーンにおいては、「見える化」という言葉をよく耳にします。
しかし、言葉の意味を正しく理解して、業務効率に繋げられている人はあまりいません。
特に工務店には様々な課題があるため、見える化を実施して、業務効率化を図る必要があります。
この記事では、見える化の意味や目的・メリットから、工務店が「見える化」で業務効率化を行うポイントを紹介します。
目次
見える化とは?
見える化とは、目では見えにくいものを見える状態にすることです。
例えば業務の納期をまとめて管理していないと、急ぎの案件がどれくらいあるのかを把握しにくく、納期に遅れてしまう可能性があります。
しかし、全ての業務の納期を1つのファイルやツールにまとめて目で見えるようにしておけば、いつまでにどれくらいの業務を終わらせる必要があるのかを一目で理解することができるのです。
見える化という言葉のルーツは、トヨタ自動車の製造現場にあります。
製造現場では少しのミスが命取りになるため、異常が発生したらすぐに目で確認できるような仕組みが導入されました。
そこから現場だけでなく、一般的な事務の業務においても、見える化が活用されるようになりました。
否応なしに目に入る状態にしておくことで、可能な限りミスを減らし、問題が発生した場合でもすぐに解決できます。
見える化は、業種や職種を問わず必要な作業です。
見える化の目的
見える化の目的は主に2つです。
- 知識の共有
- 無駄な業務の削減
組織において、個人が持つ暗黙知は重要です。
暗黙知とは、言語化が難しい知識のことで、実務を行っている人だけが知り得るものです。
ツールを上手く活用し、このような知識を誰もが見れる状態にしておけば、組織力の底上げに繋がります。
また、業務プロセスを見える化し、改めて業務内容を見直すことで、不要な作業を見つけることができます。
ルーティン化してやっていた作業が、実はあまり意味がなかったというケースも多いです。
本当に必要な作業を見える化することが、業務効率の向上に繋がります。
見える化を行うメリット
見える化を行うメリットはいくつかありますが、特に以下の2つが重要です。
- 問題を発見し把握できる
- コスト削減
例えば提出物に不備があった場合、指示を受けてから作業に取り掛かるまでの流れを見える化します。
その際、指示された内容を正しく理解せず、誤った認識のまま作業を進めていることが判明すれば、次から指示内容を丁寧に確認することで、問題の発生を防ぐことができます。
見える化を行わなければ、何が間違っていたのかすら分かりません。
手間がかかるとしても、順を追って見える化することが大切です。
また、見える化を行って業務効率化を実現できれば、社員の残業時間を減らし、コストを削減できます。
社員の負担も減らし、コストも削減できるため、どんな企業でも見える化を実施すべきです。
見える化と可視化の違い
見える化と似た言葉として、可視化というものがあります。
同じような言葉ですが、少しニュアンスが異なります。
見える化は意識しなくても目に見えるようにすることで、可視化は見えにくいものを見やすいようにすることです。
どちらも重要ですが、間違った認識をしないように注意が必要です。
工務店の課題
工務店には、次のような課題があります。
社内情報や業務を見える化することで、解決していきましょう。
自社集客ができていない
今までは営業活動を積極的に行わなくても、地元の人脈を活用することで、なんとか仕事を獲得できていたかもしれません。
しかし、多くの地域で高齢化が進み世帯数が減少しているため、従来のやり方では十分な数の案件を確保するのが難しくなりました。
そんな時代の中で生き残っていくためには、インターネットを上手く使って広報活動を行い、自社集客を行わなければなりません。
昔から付き合いがあるシニア層だけでなく、違う都市から引っ越してきた若年層もターゲットにして、アプローチする必要があります。
効率よくアプローチするためには、自社が有する顧客情報や営業ノウハウを見える化し、社内で共有できるようにしましょう。
受注数の減少
少子高齢化に加え、地方から都市への人口流出が進んでいることで、工務店全体の受注数が減少しています。
新築住宅の建設だけでなく、リフォームの件数も増える見込みがありません。
したがって、今後多くの工務店が閉業に追い込まれる可能性も否めません。
これからの厳しい時代を生き抜くためには、できるだけ無駄なコストを削減し、新規顧客の獲得に向けて新たな試みを行う必要があるのではないでしょうか。
人手不足
受注数や顧客の数が減ると同時に、工務店で働く大工の数も年々減少しています。
人手不足を解決するのは難しいため、誰でもできる業務を自動化したり、ツールを活用したりすることで、業務効率化を図らなければなりません。
無駄な作業を徹底的になくし、一人の従業員が多くの業務をこなせるようになれば、人手不足の問題も解決できる可能性があります。
業務効率化に繋がる見える化
次に、工務店において業務効率化に繋がる見える化を紹介します。
クラウドサービスを活用する
クラウドサービスとは、業務で使う書類データなどをクラウド上に保管できるサービスのことです。
従来は書面で扱っていた工事見積書や発注書などを全てデータ化し、管理体制を「見える化」しましょう。
社内の人間であれば誰でもすぐにアクセスできるようにしておくことで、無駄なやり取りの手間を省けます。
案件の進捗状況や顧客情報、図面や業務マニュアルなど、さまざまなものをクラウド上に保管しておけば、業務が属人化することなく、誰がどのような業務をどう進めているのか「見える化」できます。
コミュニケーションツールを使う
社内での連絡手段としては、メールや電話を使っている企業が多いでしょう。
しかし、これらの連絡手段では後から情報を整理することが難しいです。
電話で話した内容はデータとして形に残りませんし、メールはチェックするのが大変です。
ビジネス用のコミュニケーションツールを使えば、グループを作成して簡単に関係者全員に情報を共有することができます。
メールのように時間をかけて文章を作成する必要がなく、迅速にレスポンスできるため、無駄な時間を省けます。
また、チャットだけでなく、ファイルやリンクを送信することも可能です。
例えば、必要な顧客情報がどこにあるか分からないという内容のチャットを送信すれば、知っている人がファイルを送信してくれます。
このように、相手とのやり取りや情報を「見える化」することに、コミュニケーションツールは役立ちます。
業務効率化システムを導入する
業務効率化システムを使えば、顧客情報や工事関連書類など、さまざまなデータを一括で管理できます。
適切なシステム及びソフトを活用することで、顧客情報や業務フローなどを「見える化」できます。業務効率化を図り、先述の課題の解決に繋げましょう。
多くの工務店は、これから厳しい時代を生き抜いていかなければなりません。
従来のやり方を見直し、新しいシステムやツールを取り入れる柔軟な姿勢が大切です。
まとめ
今回は、見える化の意味や目的・メリットから、工務店が「見える化」で業務効率化を行うポイントを紹介しました。
「見える化」は工務店が抱える課題の解決につながります。
しかし、工務店では紙媒体で情報を管理していたりエクセルを使用することが多く、業務の進捗や所有する情報を「見える化」することが難しいでしょう。
そういった場合は、業務効率化システムを導入すれば、業務の大半を「見える化」できます。
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