週間工程表とは、名前の通り週間で区切った工程表です。
工事現場の一定期間の行程管理、または短期工事の管理に使用されます。
週間工程表の導入で、より細かな工程管理ができるため、工程管理も効率化するでしょう。
本記事では、週間工程表の概要やほかの工程表との違い、週間工程表が必要な現場とその理由、さらに週間工程表の作り方も紹介します。
目次
週間工程表とは|ほかの工程表との違い
週間工程表とは、1週間または2週間ほどの短い期間の工程管理に使われます。
全体工程表との違いについても解説します。
概要を把握して、正しく週間工程表を使いこなしましょう。
7日または14日で区切った工程表
週間工程表とは、7日間または14日間で区切った工程表です。
工期自体が1週間程度の短期の工事であれば、週間工程表のみで工事が完了します。
長期間にわたる工事を管理する際に短期の工程表を作成し、より詳細の工程管理に使用することもあります。
全体工程表より詳細に工程を確認可能
週間工程表を用いることで、より詳細な工程を確認できます。
全体工程表は、工期すべてにおける工程表であり、大体の流れを把握するために使用する表です。
一方で細かな工程を書き込むことには適していません。
週間工程表を作ることで、長期の工事において直近かつ短期の予定を確認できます。
工事完了という大きな目的に向けて、週間工程表を作ることで、スモールゴールを設定して着実に工事を進めていけるでしょう。
週間工程表が必要な現場と理由
週間工程表が必要な現場とその理由を解説します。
週間工程表を使うべき場面がわからず、導入のタイミングを図りかねている方もいるでしょう。
短期の工程表を作るべき現場には、週間工程表を導入して工期管理をより効率化しましょう。
納期が短い工事
工期が短い現場は、週間工程表を作って工程を管理します。
約1〜2週間で竣工する工事は、短期間で確実に工事を終わらせなければなりません。
資材や機材の納入遅れやトラブルにより、工事が遅れると納期に間に合わない可能性もあります。
そのため、週間工程表を用いて工程を事前に確認し、遅滞なく工事が進むように日々確認する必要があります。
工期が長い場合の効率的な工程管理
工事期間が長い場合も、週間工程表が重要です。
工期が長いと工程把握やしにくく、また納期まで時間があると思って、ついつい管理が甘くなりがちです。
気付かぬうちに工程が遅滞し、最終的に納期直前に作業が詰まる可能性も考えられます。
週間工程表を作っておけば、全体に対して「この日でここまで進めておかねばならない」という基準が明確になるでしょう。
工期が長い工事こそ週間工程表を導入して、直近の予定を計画的に進めるようにしてください。
週間工程表を作業員に共有することで、ゴールが明確になり作業のダレも生じづらくなります。
また、施工管理も週単位で予定を確認、調整できるため、工程管理が効率的になるでしょう。
機材・資材の搬入と工期の調整
週間工程表は、機材や資材の搬入が多い時期のみ作成する場合もあります。
機材や資材の納品が多いと、一旦工事を中断して資材置き場を作らなければならないためです。
また、機材や資材の搬入が遅れれば、工事自体が遅滞します。
そのため、機材や資材の搬入時期は作業にかかわる人員全員が把握しなければなりません。
そのうえで、搬入場所・時間に合わせて工程を調整する必要があります。
全体工程表の中で、機材や資材搬入が重なる部分で週間工程表を作り、作業人員・工程を調整しましょう。
週間工程表の作り方
週間工程表を作る方法は3つあります。
週間工程表は、工程表の種類によりますが、比較的短期であるため作りやすい工程表です。
自社で工程表を作成したい方は、以上の3つの方法で工程表を作りましょう。
工程管理システム
週間工程表を作るために、工程管理システムの導入がおすすめです。
工程管理システムとは、システム上で工程表の作成や共有ができるツールです。
簡単に工程表を作れるうえ、工程表の種類も豊富であるため、シチュエーションに合わせて適切な工程表を作れます。
工程表の修正も簡単な操作でできるため、施工管理色の業務負荷も減るでしょう。
また、工程表の共有もオンラインででき、現場共有も効率化します。
デメリットとしては、導入や維持にコストがかかる点です。
システムによって費用はまちまちですが、初期費用と月額費用(または買い切りの購入費用)がかかります。
また、新しいツールを導入すると、現場の作業員に混乱が生じる場合があるため、研修や操作方法のマニュアル作りが必要です。
工程管理ツールは費用がかかる点がネックとなりがちですが、「IT導入補助金」の利用で、費用負担を抑えて導入できます。
国土交通省のテンプレート
週間工程表を手作りしたい方は、国土交通省「公共建築工事内訳書標準書式」のテンプレートを参照しましょう。
公共建築工事の標準書式ですが、流用すれば通常の週間工程表として活用できます。
テンプレートを使えば、難しいことを考えずに、空欄を埋めるだけで工程表を作成可能です。
ただし、すでに書式が決まっているため自由度が低く、やや使い勝手が悪いと感じる可能性があります。
エクセル
自社に合わせた工程表を作りたい場合は、エクセルで自作する方法をおすすめします。
エクセルは日頃から使用している工務店の方も多いため、すんなり作業に入れるはずです。
罫線を引いて自由に書式を作れるため、自社に合わせた工程表を作れます。
また、数式や関数を扱える社員がいれば、ある程度自動化可能です。
ただし、手作りしたファイルの紛失などを防ぐため、保管フローを決める必要があります。
手作りで工程表を作るため、時間や手間がかかる可能性もあるでしょう。
また、工程表に数式などを使う場合は、管理作業は数式や関数の知識がある人員に限られます。
工程表をエクセルで作成する方法は以下の記事で紹介しています。
まとめ
週間工程表は、短期工事または長期にわたる工事の工程管理に有効です。納期に間に合うように工期を管理するため、週間工程表を効果的に導入しましょう。
週間工程表を作る方法は3つありますが、メリットとデメリットを比較すると、工程管理システムの導入がおすすめです。
工程管理システムに興味はあるものの、導入すべきシステムがわからないと悩んでいる方もいるでしょう。
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また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。
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