内装工事は工期が1〜2ヶ月と工期が短いため、少しのミスやトラブルが納期や品質に影響を与えます。
工期が短い内装工事では、精度の高い工程表を作ることでミスやトラブルを防止し、納期の遵守や建物の品質向上が可能です。
この記事で内装工事の定義と内装工事の流れ、工程表の重要性と内装工事工程表の作り方を解説します。
内装工事工程表を作るためのツールも2つ紹介しています。
目次
内装工事の定義
内装工事とは、すでに躯体が仕上がっている建物の内部工事を意味します。
室内の壁や天井、床などの内装を整備して住める・使用できる状態にすることです。
またリフォーム工事で内装工事のみの依頼を受けることも多いでしょう。
期間は大体1〜2か月でおこなわれるケースが多く、短期間で仕上げに関わる重要作業を済ませなければなりません。
内装工事の流れ
内装工事の流れを説明します。
リフォームなどの内装作業は以上の通りでおこないます。
まず内装工事の流れを把握し、的確な工程表を作りましょう。
配管・配線工事
内装工事ではまず最初に配管・配線工事をおこないます。
配管や配線はあとで壁や床材で覆い隠すことになるため、仕上げ工事前にしておかなければなりません。
サブコンという電気・衛生・空調設備を施工する業者に依頼し、サブコンが配管と配線を完成させます。
墨出し作業
サブコンによる配線・配管工事終了後に、天井や壁をどこに作るか目印をつけます。
この作業が墨出し作業と呼ばれ、のちの点検で問題にならないように設備や法規に沿ってミリ単位で測量し、施工場所に印をつける作業です。
軽量鉄骨
軽量鉄骨とはLGS(Light Gauge Steel)と呼ばれ、壁や天井のボートを取り付ける下地のことです。
壁や天井を作る際にはボードを用いますが、そのボードを固定する下地が必要となります。
軽量鉄骨を用いて下地を作り、次の項目で解説するボード作業の準備を進めましょう。
ボード作業
ボード作業は、先ほど施工した壁や天井の下地にボードを取り付けて固定する作業です。
天井から作業を進めて、壁へと進んでいきます。
ボード作業が終わったら塗装やクロスを施工し、壁や天井の完成です。
床の仕上げ作業
壁と天井が完成したあとに床の仕上げをおこないます。
壁や天井を先に工事することで、工事中に落ちたゴミなどが落ちて汚れるため床は最後に施工しましょう。
床の仕上げ作業が終了したら、内装工事は概ね終了です。
内装工事の工程表の重要性
内装工事の工程表はなぜ重要なのでしょうか。
作業的には内装のみで期間が短いため、軽微なリフォームの場合は作成せずに施工する工務店もあります。
しかし工程表を作ることで確実に納期に間に合わせ、品質の高い内装工事がおこなえるでしょう。
顧客の安心
内装工事の工程表を作成することで、顧客に安心感を与えます。
施主は引き渡し時期を逆算して引越し・営業予定を決めるためです。
工程表を作成して提示しておけば、施主も予定が決めやすくなります。
施主の満足度・安心のためにも内装工事が短期間であっても工程表を作成しましょう。
遅延やハプニング防止
内装工事は関連業者が多く、トラブルによって納期遅延の可能性があります。
納期は厳守すべきですが、内装工事は細かな作業が多くもしも抜け・漏れがあると生活や営業に支障をきたすためです。
内装は最も人の目に触れる部分でのため、精度が悪いと後からトラブルになることが多い箇所。
遅延やハプニングを防止し、適切な施工をおこなうためにも工程表を作り手順などを確認すべきです。
品質・納期厳守
内装工事の工程表を作成して日程を決めておけば、納期遅れによるミス・工事品質の悪化を防げます。
また当然ながら施主との契約で決めた納期を守るために、余裕を持った工程設定と日次の進捗チェックは必要です。
内装工事工程表を作成しておけば、日次で進捗管理でき遅延における対応もスムーズ。
工事の遅れて職人が焦りからミスをすることもなくなり、品質の高いリフォーム・内装工事ができるでしょう。
発注業者との打ち合わせ
内装工事の工程表には、発注業者との打ち合わせ予定も含めておきましょう。
関連する下請け業者が多い場合、認識の齟齬や連絡ミスにより期限遅れが発生するケースがあります。
最終検査に間に合わないと引き渡しが遅れてしまい、施主とのトラブルに発展するでしょう。
途中でトラブルや行き違いがあることも想定したうえで、余裕のある内装工程表を作る必要があります。
各種検査の期限
内装工事工程表は各種検査の期限も意識して作りましょう。
日程設定に検査日を入れておくことで、検査に間に合わず引き渡しが遅れるリスクを防げます。
竣工前に消防検査などの各検査を受けなければなりませんが、その前に施工が終わっていなければそもそも検査が成り立ちません。
検査に間に合わなければ、次の検査がいつになるかわからず検査日が遅れてしまいます。
各種検査に間に合うよう内装工程表を設定しましょう。
内装工事は部分工程表で管理
内装工事工程表は部分工程表で管理します。
内装工事工程表の作り方の流れを説明します。手順に沿って検査や引き渡しに影響の出ない、余裕を持った工程表を作りましょう。
検査日の確認
まず内装工事工程表作成前に、検査日を確認しましょう。
例えば消防検査であれば所轄の消防署で検査日の日程を相談し、予約しておかなければなりません。
竣工日から遡ることとなるため、施主への引き渡し日などを考慮して検査日日程を相談しましょう。
作業の拾い出し
次に作業の拾い出しをおこないます。内装工事は細かい作業が多く、また下請け業者が施工に入るためです。
まずすべての作業を拾い出ししたあとに外注業者と日程を決めなければなりません。
抜けや漏れがあると生活が成り立たない、または施主の希望と異なるイメージになる可能性があります。
事前にリストを作り、内装工事工程の拾い出しをしてください。
外注業者との打ち合わせ
作業の拾い出しが済み大まかな日程を決めたあとに、外注業者へ予定を確認します。
外注作業をする下請け業者の都合もあるため、工程表の概要を見せて内容を確認してもらいましょう。
下請け業者の予定や作業日程などを含めて、最終的な内装工程表を作りあげます。
作業時間の調整
最後に自社社員の作業時間などを調整し、内装工程表がほぼ完成です。
働き方改革を実施している場合は、残業時間上限などを考慮して長時間労働にならないように調整します。
工程表の完成
最後の調整が終わったら作業員に工程表を共有し、最終チェックをしてもらいます。
工程表を作り終えたら内装工程表を作成し、関連作業員に共有しましょう。
内装工事の工程表管理を効率化する方法
内装工事工程表の作成・管理を効率化するためには、以下2つの方法がおすすめです。
工事工程表を効率よく作り、管理すれば共有作業も楽になるでしょう。内装工事工程表を簡単に作りたい工務店担当の方は参考にしてください。
工程管理ツールで工程表作成
工程管理ツールで内装工程表作成が可能です。
工程管理ツールとは、工程表作成ができるソフトウェアやアプリで、過去の工程表を参照できます。
工程管理ツールを用いるメリットとデメリットを比較しました。
工程管理ツールはワンクリックで工程表を作り、修正操作が容易なものが多いです。
過去の工程表を参照しながら作成を進められるため、過去データを参考に精度の高い工程表が作成できます。
アプリ版またはモバイル端末で工程表共有ができ、社外にいても工程表を閲覧できることもメリットです。
また休日設定なども自動でおこなえるため、手動作業によるミスも軽減するでしょう。
デメリットとしてはツール導入コストがかかること、また工程表作成の操作に慣れるための研修が必要な点があげられます。
おすすめの工程管理ツールの概要とコスト面の解決策を知りたい方は以下の記事を参照してください。
エクセルで工程表作成
エクセルで内装工程表を作成できます。
工程表をエクセルで作成するメリットとデメリットは以下のようなものです。
エクセルは導入コストがなく、すぐにでも内装工程表を作れることがメリットです。
エクセルを日頃から使用している会社なら、すぐにでも工程表作成に取り組めるでしょう。
メリットはありますが、エクセルは複雑な工程表作成には向いていません。
バーチャートやガントチャートは作れるものの、作業同士の関連性を示すネットワーク工程表などは作りづらいでしょう。
また工程表の管理機能はついていないため、ファイルを作成するなどして保管ルールを決めて運用する必要があります。
エクセルはオンライン共有には向いておらず、社外での閲覧が難しい点もデメリットです。
内装工事工程表作成を効率化するためにエクセルよりも工程管理ツールをおすすめしますが、まずはエクセルで工程表作成を始めたい方もいるでしょう。
エクセルで内装工程表を作る方法については以下の記事で解説しています。
まとめ
内装工事工程表は仕上げの非常に重要な工程を、確実に納期までに仕上げるために必要です。関連作業が多く下請けの日程なども確認して作成するため、ミスなく効率的に作る必要があります。
施主の安心感のためにも短期間であっても内装工事工程表を作りましょう。
内装工事工程表をミスなく作るためにも、工程管理ツールの導入をおすすめします。
どのような工程管理ツールを使えば良いかわからず、システム選びに迷っている方もいるでしょう。
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