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建設業界における省人化とは?労働基準法改正や省人化の具体事例を紹介

省人化とは、作業において無駄な工程を減らして、人員を削減すること。リソースを他の作業に回すことで、業務の効率化が可能です。

建設業界では省人化の動きにより、大手ゼネコンを中心として省人化が進められています。

この記事では省人化の概要や建設業界に省人化が求められる理由、具体的にどのような省人化の取り組み事例について解説します。

建設業界にも必須?省人化とは

建設業界にも必須?省人化とは

省人化とは、作業における無駄な工程を減らして効率化し、業務にかかる人員を削減することです。

昨今働き方改革により、建設業界でも長時間労働や労働環境の改善が急務とされてきました。

1つの業務にかかっていた人員を他の業務に割り振りできるようになり、1つの現場だけでなく、全体の業務が効率化できます。

省人化と省力化の違い

省人化と似た”省力化”という言葉もあります。

省力化とは、1人の人員にかかる工程を効率化によって減らすことです。

どちらも業務効率化の取り組みの中の1つで、より良い労働環境を形成するのに欠かせないもの。

省人化は1つの業務にかかる人員を減らす、省力化は作業員への業務負荷を減らすことを意味します。

建設業界に省人化が求められる理由

建設業界に省人化が求められる理由

なぜ今建設業界に省人化が求められているのか、理由は3つあります。

建設業界に省人化が求められる理由
  • 建設業界の慢性的な人手不足
  • 労働基準法の改正による労働時間の上限
  • 36協定による時間外労働の規制

建設業界自体の課題である人手不足を根本的に解決するため、また法的な規制が背景にあります。

建設業界の慢性的な人手不足

建設業界では、1998年に685万人いた労働者が、2021年に492万人に減少しました。今後、2025年までにさらに減少すると考えられています。

就労人数減少の背景として、「建設業界はキツイ・汚い・危険」という「3K」イメージが先行していました。

事実残業時間の上限がなく、週休1日など、労働時間や休みの体制は整っていない現場もあります。

そのため就業者が高齢化し、新人が就職しにくい状況に陥っています。結果として、人手不足が慢性化してしまいました。

労働基準法の改正による労働時間の上限

労働基準法が改正され、労働時間の上限は以下のように定められました。

労働基準法の改正による労働時間の上限
  • 原則として1日8時間・週に40時間を超える労働の禁止
  • 労働時間が6時間を超える場合は45分間、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を設けること
  • 週に1回の休日、4週間で4回の休日を与えること

2020年4月よりこの規制が運用され始め、中小企業に関しては1年間の猶予期間が設けられています。

しかし、建設業界は元々「手作業でおこなう」という風土があり、即時にDXに対応できないことも事実です。

建設業界の風土も鑑みて、建設業界には1年間ではなく5年間の猶予が与えられています。

この5年間の間に、労働業界も省人化を進めて労働基準法に適合することが求められていといえるでしょう。

36協定による時間外労働の規制

36協定とは、時間外・休日労働に関する協定届のことです。

労働基準法では労働時間の上限が1日8時間・週に40時間と定められています。

しかし、この協定を結んでいる場合は、時間外労働が上限を守ったうえで認められます。

36協定による時間外労働の規制
  • 時間外労働は月に45時間・年間360時間まで
  • 臨時的な特別事情がある場合は、年間720時間まで認められる
  • 臨時的な特別事情があっても、時間外労働・休日労働合わせて、労働時間は月間100時間未満まで
  • 臨時的な特別事情でも、2〜6ヶ月間の平均労働時間が月間80時間以内にならなければならない

原則として月間45時間、つまり1日2時間ほどの残業が上限です。

しかし、災害時の工事等の特別な理由がある場合のみ、上限が引き上げられます。ただ特別事情を理由にしても、作業員に制限なく時間外労働をさせるわけにはいきません。

これらの協定は作業員の労働環境を守り、また使役者として適切な環境を提供する義務に基づいて作られました。

建設業界においても、省人化を進めていかに時間外労働を少なくするかを考えるべきです。

しかし、現場で人員が作業する以上は、「どうやって省人化を進めれば良いのか?」が急務の課題です。

建設業界がどのように省人化を進めているのか、具体的事例を交えて次の項目で解説します。

建設業界における省人化の事例

建設業界における省人化の事例

建設業界における省人化は大手ゼネコンを中心に進み始めています。

具体的な事例を3つ用意しました。

建設業界における省人化の事例
  • 高層ビル工事への自立ロボットの導入
  • クラウドカメラによる遠隔管理
  • 現場の自動清掃ロボットの導入

自社の省人化を進めるにあたり、将来のビジョンが見えていることは大切です。

今後、建設業界が省人化を進める際に、どのような技術が応用できるのか参考してください。

高層ビル工事への自律ロボットの導入

清水建設では、省人化のために自立型ロボットを建設工事に導しました。

現場情報を統合管理システムへ取り入れて、4種類のロボットが作業指示に従って作業をおこないます。

清水建設で導入された自立型ロボット
  • 水平方向にブームを伸縮できるクレーン
  • 鉄骨柱を溶接するロボット
  • 2本の指で天井・床材の施工をおこなえるロボット
  • 資材の積み込み・運搬を担当するロボット

従来はクレーンや溶接、施工は人員がいなければ不可能と思われていた業務でした。

しかし、現場の施工データをシステム管理することにより、人員が現場にいなくても作業が進むようになりました。

クラウドカメラによる遠隔管理

複数のゼネコンでは省人化のために、クラウドカメラによる遠隔管理を導入しています。

人の目でチェックをしなければならない工程を省き、遠隔カメラをモニターで監視できます。

従来の作業現場では、現場の不意な崩落などのリスクに備えて、監視員がいなければなりませんでした。

しかしクラウドカメラの導入で、現場で目視で確認する作業を省略できるため、監視人員が大幅に削減できます。

現場の自動清掃ロボットの導入

大成建設では、2016年から省人化に向けて自動清掃ロボットを導入しています。

工事現場では、床に小さな釘・ビスや木片、粉塵が散乱しやすいです。もし放置すれば足場が悪くなり、作業環境が整わないため、常に人力で清掃をおこなっていました。

しかし、自動清掃ロボットを導入することで、夜間・施工をおこなっていないエリアを常に掃除することができます。

清掃にあたる人員を、他の箇所に回すことができ、省人化と作業効率の向上につながる施策です。

ただし、ロボット導入には資金が必要で、すぐに着手できない企業の方もいるでしょう。

その場合、アプリで施工管理をおこなう、システム導入で事務作業の負担を軽減することが可能です。

まとめ

この記事では、建設業界の省人化について解説しました。年々労働人口が減少傾向にある建設業界にとって、省人化は欠かせない取り組みです。

建設現場で人が必要とみなされていた作業を見直し、省人化に取り組めば、労働環境の改善にもつながるでしょう。

労働法の改正等の背景もあり、2025年までには建設業界全体が省人化・DX化へと向かっていきます。

本記事の内容を参考にして、自社の作業の無駄を見つけ、省人化を進めていきましょう。

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【引用】AnyONE

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