太陽光発電は、太陽光のエネルギーをソーラーパネルで電力に変換する発電システムです。
しかしその電力を家庭で利用するためにはソーラーパネル以外の機器も必要であり、効率よく利用するためにはある程度の知識が必要です。
今回は太陽光発電について、その仕組みや必要な機器から、発電システムとしての特徴まで解説します。
目次
太陽光発電の仕組み
太陽光発電は、太陽光がソーラーパネルに当たることで太陽電池の中の半導体が電気を発生させる仕組みです。
実際に家庭内で電力使用や売電をおこなうためには、さらに以下の機器が必要です。
ソーラーパネル
ソーラーパネルとは、太陽光を利用して発電をおこなうためのパネルのことです。
ソーラーパネルという呼び方のほかに、「太陽光パネル」や「太陽電池モジュール(ソーラーモジュール)」などとも呼ばれます。
ソーラーパネルは複数の太陽電池から構成されており、太陽電池はプラスを帯びやすい「P型シリコン半導体」とマイナスを帯びやすい「N型シリコン半導体」という2つの半導体を張り合わせて構成されています。
このため太陽光発電では、ソーラーパネルが太陽光を受けて乾電池と同じ状態となることで電気を発生させる仕組みとなっています。
パワーコンディショナー
パワーコンディショナーとは、太陽光発電などによって創った電気を家庭での利用や充電、売電などに利用できるように変換する装置のことです。
パワーコンディショナーは、主に以下5つの役割を持っています。
分電盤
分電盤とは電気を各部屋の電源に分ける装置のことです。
太陽光発電システムにおいてはパワーコンディショナーで変換された電気を各電源や蓄電池などへ分ける役割を持つため、パワーコンディショナーとの接続に対応した分電盤を用意する必要があります。
ブレーカーは電気の流れを遮断するための装置で、分電盤の内部に格納されています。
使い過ぎやショート、漏電を検知した際に電気を遮断し、事故を防止する役割を担っています。
蓄電池
蓄電池とは、電気を蓄えて必要な時に電力の供給ができるバッテリーのことです。
太陽光発電の電力や電力会社から供給される電力を蓄えられるため、電力使用の時間を管理して電気代の削減や災害対策をおこなえます。
このため太陽光発電との親和性が非常に高く、蓄電池を導入することで太陽光発電のメリットを最大限享受できます。
近年太陽光発電設備や蓄電池を0円で設置できるサービスが注目を集めています。
それぞれ別記事で仕組みやメリットなどについて詳しく解説しているため、ぜひあわせてご確認ください。
電力メーター
電力メーターとは、電力の使用量を測定するための装置のことです。
電力会社から電力を買っている場合は電力メーターの計測に基づいて電気料金が決定しますが、太陽光発電で売電をおこなう場合は「逆回転防止機能」が搭載された専用の電力メーターが必要です。
近年ではHEMSの普及に伴って、2024年度の100%普及を目標に「スマートメーター」と呼ばれる次世代の電力メーターが登場しています。
スマートメーターでは従来のメーターと異なり電力量がデジタル表示され、また電力会社との通信機能が備わっています。
ソーラーパネルの種類と単位
ソーラーパネルは太陽光発電における最も重要な装置ともいえますが、さまざまな種類や大きさが存在します。
ソーラーパネルについての理解を深めるため、ソーラーパネルの種類と単位についてチェックしておきましょう。
ソーラーパネルの種類
ソーラーパネルの種類は、太陽電池に使用されている素材によって4種類に分けられます。
- シリコン系
ソーラーパネルの中で最も長い歴史を持ち、中でも「単結晶シリコン型」は世界の太陽電池市場において90%近くを誇る。
【参考】メガソーラービジネス 2020年の世界太陽電池市場、シェアトップ5社は? - 化合物系
低コストで製造できるほか、シリコン系と比べて天候に左右されにくい。 - 有機物系
低コストで製造できるほか、曲げたり着色したりできる。 - 量子ドット系
ほかの素材の変換効率が15~25%程度とされている中、理論上60%以上の超高効率化が可能とされる。
【参考】量子ドット太陽電池の現状と将来展望
これらの中で現在一般的に用いられているものは「シリコン系」と「化合物系」であり、「有機物系」と「量子ドット系」は研究段階として実用化が期待されています。
ソーラーパネルの単位
ソーラーパネルは太陽電池によって構成されていますが、主に以下3つの単位が存在します。
- セル
太陽電池の最小単位 - モジュール
セルをパネル状に組み合わせたもの - アレイ
モジュールをさらにパネル状に組み合わせたもの
このため、大きさも以下のようになります。
アレイ > モジュール > セル
また、遊休地や休耕地など広大な土地を活用して1,000kWを超えるような出力を持つ太陽光発電システムを「メガソーラー」と呼びます。
ソーラーパネルの発電量と設置場所
太陽光によって電力を生み出すソーラーパネルは、天候や季節によってその発電量が変動します。
ここではソーラーパネルの発電量と設置場所について見ていきましょう。
太陽光発電の発電量
太陽光発電の発電量は太陽光発電システムの性能や日射量により異なりますが、太陽電池容量1kWhあたり年間1,000~1,200kWh程度です。
一般的な家庭用太陽光発電の容量は4.5kW程度であり、また世帯当たりの年間エネルギー電力消費量が4,300kWh程度であることを考えると、理論上生活に必要な電力を太陽光発電でまかなえるといえます。
太陽光発電に適した場所の条件
太陽光発電に適した場所の条件は、以下の通りです。
- 南向き、太陽光を遮るものがないなど日射量が多い
- 土地が広い、傾斜がない
- 台風や地震、土砂崩れや塩害など自然災害リスクが少ない
- 景観や反射光など、自治体や周辺住民の反対を受けるリスクが少ない
一般家庭に設置する際は、地域や屋根の向き・状態によって設置できない、または発電量が見込めない場合があるため注意が必要です。
太陽光発電の特徴
最後に太陽光発電の特徴として、他の発電システムと比較した場合のメリットとデメリットについてもチェックしておきましょう。
太陽光発電には、主に以下のようなメリット・デメリットがあります。
太陽光発電のメリット
太陽光発電には、以下のような発電システムとしてのメリットがあります。
- 枯渇する心配がない
太陽光を利用するため、発電に必要な資源の枯渇を心配する必要がない。 - 環境にやさしい
二酸化炭素や使用済み燃料を排出しないため、環境にやさしい。 - 故障が発生しにくく管理しやすい
発電の仕組みが単純なため、故障が発生しにくく管理しやすい。
太陽光発電のデメリット
太陽光発電には、以下のような発電システムとしてのデメリットがあります。
- 供給力が限定的・不安定
発電量が日射量に左右されるほか災害に弱いなど、供給力が限定的で不安定。 - 発電コストが高め
火力発電など従来の発電システムと比べて発電コストが高い - 安定供給のための要件が厳しい
日射量が多く災害リスクの少ない広大な土地が必要など、安定供給のための要件が厳しい
まとめ
今回は太陽光発電について、その仕組みや必要な機器からソーラーパネルの種類や発電量、そして発電システムとしての特徴まで解説しました。
太陽光発電はリソース面や環境面だけでなく管理面から見ても持続可能な発電システムですが、供給力やコストに課題がある点は否定できません。
一般家庭への導入も推進されているもののコスト面がネックとなっていますが、そのようなコスト面での課題を取り払う0円太陽光や0円蓄電池のサービスが注目を集めています。
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太陽光で発電した電気を家庭で利用できるように、「直流電流」から「交流電流」へ変換する。
太陽光で発電した電気を売電できるように、電圧を調整する。
周波数や電圧の異常を検知し、太陽光発電と電線・電柱との間で起こりうるトラブルを抑制する。
天候や時期、日照量など、異なる環境下においても発電効率を最大化させる。
停電時に太陽光発電の電力を利用できるようにする。