見積り作成業務に時間が掛かり、また最終的な粗利との差が生じるなど、見積り作成業務にお悩みの工務店の方も多いでしょう。
解決策としては見積りソフトの導入がおすすめです。
しかし、ソフトの種類が多く決めかねている方もいるでしょう。
本記事では工務店向け見積りソフトの種類と導入効果、注意点を解説した上でおすすめの工務店向け見積りソフトを6つ紹介します。
目次
工務店向け見積りソフトの種類とは
工務店向け見積りソフトの種類は大きく分けて2つあります。
工務店向け見積りソフトを紹介する前に、それぞれの特徴やメリット・デメリットを知っておきましょう。
クラウド型
クラウド型とは、オンライン上のスペースで見積り作成・保管をおこなえるソフトです。
クラウド型見積りソフトのメリットとデメリットを比較しました。
クラウド型は、オンプレミスと比べて導入初期費用が安く、また導入までの期間が短いのが特徴です。
サーバー上に機器を設置するなどの環境構築作業がなく、手間なく導入しやすいでしょう。
また、ネットワーク環境さえあればスマホ・タブレットからアクセスでき、工事現場や営業先でも使用できます。
クラウド型のメンテナンスはサービス提供者がおこなうため、メンテナンスも必要なく、専任ITチームを立ち上げなくて良いことも大きなメリットです。
一方カスタマイズ性においては、オンプレミス型よりも低くなります。
自社のフローに合わせてUIを変えたい企業には向かないでしょう。
またサービス提供者の倒産やサービス自体の終了により、いきなりツール自体が使えなくなることには注意が必要です。
オンプレミス型
オンプレミスとは自社運用という意味で、自社のサーバー上にハードウェア機器を設置して見積りソフトを使用する形式です。
オンプレミス型のメリットとデメリットを紹介します。
オンプレミス型は、自社専用のツールとしてカスタマイズが自由におこなえるのが特徴です。
また自社サーバー内に機器を設置するため、ハッキングリスクなどはかなり低いでしょう。
ただし、導入費用が高額になりやすく、また初期設定に時間がかかるためすぐに使い始めることは難しいです。
また、外部からのアクセスは性質上困難で、リモートワークを推進したい企業にはおすすめできません。
そして自社運用のため、メンテナンスや障害対応は自社でおこなう必要があり、専任ITチームが必要です。
以上の比較から、コストが低く手軽に使用でき、また外部からアクセスが可能なクラウド型ソフトをおすすめします。
工務店が見積りソフトを導入する効果
見積りソフトを導入するとどのような効果が得られるかを解説します。
現状で見積りソフトを導入するか迷っている方は参考にしてください。
見積り作業を効率化
見積りソフトを導入すると、見積り作成・管理業務が効率化します。
過去の見積りの引用やマスタ登録ができるため、ファイルを探して過去データを参照したり、単価を調べて入力する必要がないためです。
見積りソフトの導入で見積り作成の負荷を軽減でき、作業時間を減らせるでしょう。
精度の高い見積り作成
見積りソフトは複数階層の見積り作成ができ、内訳を詳細かつ簡単に記録できます。
見積りソフトにはシミュレーション機能を搭載したソフトも多く、作成後に自動でシステムによるチェックが可能です。
CADとの連携ができるツールであれば、詳細な数量拾いを自動でおこなえるソフトもあります。
効率よく精度が高い見積りを算出でき、正確な見積り書を作成できるでしょう。
見積りの安全な管理
作成後の見積りを安全かつ労力を削減して管理できます。
システム内の操作ログはすべて残るため、ファイルを誤って削除した場合も復旧が容易です。
また、社内の改ざんの抑止にもなるでしょう。
工務店が見積りソフトを導入する際の注意点
工務店が見積りソフトを導入する際には以下の3つの点に注意してください。
見積りソフトは業務効率化を促進しますが、選び方を誤ると業務効率を下げるリスクがあります。
自社の既存ソフトとの連携
導入予定の見積りソフトと自社の既存ソフトとの連携も考慮しましょう。
例えば現時点でエクセルで見積り管理をしている企業の場合は、csvによるデータ取り込みができるかも重要です。
また自社で使用している会計ソフトと連携できれば、入出金管理や予算管理も効率化します。
操作性
新しいソフトを導入すると、現場では切り替え期間に混乱やミスが起こりやすくなります。
切り替え時の業務負荷を減らすためにも、見積りソフトの操作性を重視しましょう。
現時点でエクセルを使用しているなら、エクセルと似た操作感のソフトを選ぶと混乱が少なくなります。
建設業界はIT苦手意識を持つ方も多いため、操作が簡単で使いやすいものを選んでください。
費用
見積りソフトの導入には費用がかかるため、自社の予算内でパフォーマンスの高いソフトを選びましょう。
ソフトの導入によって得られる経費削減効果と、ソフト自体の利用料金を比較してコスト回収ができるものを選んでください。
工務店におすすめの見積りソフト6選
工務店におすすめの見積りソフトを6つ紹介します。
上記2つの種類に分けて3つずつ詳細を解説するため、自社のニーズに合わせた見積りツールを選んでください。
クラウド型見積りソフト
クラウド型の工務店向け見積りソフトを3つ紹介します。
サービス名 | 詳細 |
---|---|
AnyONE | ・見積り作業はもちろん、アフター管理まで対応できるマルチシステム ・クラウド型のため外部からの情報閲覧が可能 ・来社研修などサポート体制が手厚くて安心 |
みつもり主任 | ・使いやすさに特化した見積りソフト ・過去ソフトデータを連携できる ・クラウドでどこからでも情報を共有できる ・全国に専門スタッフがおりサポートを受けられる |
使えるくらうど建築見積り | ・見積り作成・共有をどこからでもできる ・単価や諸経費の一括修正機能がついている ・実行予算管理や原価把握ができる ・エクセルデータ取り込みが可能 |
AnyONE
AnyONEは導入実績2700社以上の工務店向けソフトで、エクセルと似た操作感で使いやすいと評判です。
見積りに加えて、営業支援や工程管理、アフター管理もできます。
- 複数階層の見積り作成
- 単価の一括更新
- 見積りごとの契約ステータスの設定
- 過去の見積り参照・データ流用
- システムからの印刷機能
- 工事原価登録
- エクセルからのコピー&ペースト
- API連携
- 単価マスタ登録
- 発注状況の可視化
- 実行予算管理
クラウド型でアプリ版も提供しており、外部にいる社員との情報共有も容易です。
来社研修などサポート体制も充実しているため、導入後も安心して利用できるでしょう。
詳しくは、AnyONEの機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
またAnyONEでは今すぐ使える便利なエクセルテンプレートを公開しています。
現状エクセルで見積りを管理している工務店の方は、テンプレートを試しに使用し、使いやすいと感じればシステムを導入するのがおすすめです。
みつもり主任
みつもり主任は、工務店向けに作られた見積りソフトです。
- 見積り作成
- 過去のソフトデータを連携可能
- 見積りのほか実行予算書・請求書・注文書作成
- 見積りへの写真貼り付け
- 見積りシートへの計算式埋め込み
過去データを連携して見積り作成を効率化します。
また、見積り書以外にも実行予算書や請求書、注文書の作成が可能です。
見積り書に写真を貼り付け、視覚的に理解しやすい見積り作成業務を実現します。
またシートに計算式を埋め込み自動計算を実施し、ミスを減らせるように設計されているソフトです。
詳しくは、みつもり主任の機能や特徴、口コミ・評判を解説した記事をご確認ください。
使えるくらうど建築見積りV2
使えるくらうど建築見積V2は、クラウド上で見積り作成・共有ができる見積りソフトです。
- 単価・諸経費のマスタ登録
- 単価・諸経費の一括更新
- 5段階の複数階層見積り作成
- 実行予算管理・原価把握
- エクセル連携
見積り作成に必要なデータをシステム上で一括管理できます。
単価や諸経費をマスタ登録し、変更があった場合は一括更新も可能です。
5段階の複数階層見積りを作れるため、詳細かつ分かりやすい見積り作成ができるでしょう。
同時に実行予算管理や原価把握もできるため、自社経営利益の把握にも役立ちます。
エクセルデータとの連携もできるため、現状エクセルで見積り管理している工務店の方にもおすすめのソフトです。
オンプレミス型見積りソフト
オンプレミス型見積りソフトを3つ紹介します。
サービス名 | サービス詳細 |
---|---|
SMILE V POWER見積 | ・セキュリティが高く安定した操作性 ・見積り作成時に過去のデータを利用できる ・見積りの明細内容検索機能がある ・システム上で明細をメールで共有できる |
どっと原価NEO | ・見積り作成のほか原価管理や入出金管理、実行予算の作成機能あり ・オプションが豊富で、自社に適合した機能を搭載できる ・人気カスタマイズ例をテンプレート化しており、初めてのシステム導入でも機能を選びやすい |
見積CRAFT | ・積算の最新単価データを搭載している ・見積りをシミュレーションでき、減価率や単価調整も容易になる ・見積りの作成モードを変更して適切な見積り作成ができる |
SMILE V POWER見積
SMILE V POWER見積は、大塚商会提供のセキュリティの高いオンプレミス型見積りソフトです。
- 見積り作成・管理・再利用
- 見積り検索
- メール送信
- 利益予測
- 注文書作成・査定
- 営業支援・発注
非常に多機能で、見積り作成以外にも注文書作成や営業支援、利益予測もできます。
過去の見積りの検索もでき、過去データの利用も簡単です。
見積りの共有はシステム上からボタンひとつでメール共有できるため、取引先・社員への送付も簡単。
セキュリティが高く、安心して利用できる見積りソフトです。
どっと原価NEO
どっと原価NEOは、見積り作成のほか原価管理や実行予算管理まで一括してできる見積りソフトです。
- 見積り作成・管理
- 受注登録
- 入金管理
- 収支見込み管理
- 会計との連携(オプション)
- 日報管理(オプション)
- アフター管理(オプション)
見積り作成と管理のほかに、受注登録や入金管理、収支の管理も可能です。
またオプションが非常に豊富で、会計との自動連携や日報管理、アフター管理なども追加できます。
初めてソフトを導入する工務店のために、人気のカスタマイズをテンプレート化しているため、初めてソフトを導入する場合も迷いづらく利用しやすいでしょう。
見積CRAFT
見積CRAFTは、工務店に必要なデータが事前に搭載されているオンプレミス型見積りソフトです。
- 見積り作成
- 見積りの出力
- 原価シミュレーション
- 単価調整
- 法定福利費の登録
見積り作成はもちろん、さまざまなフォーマットでの出力が可能です。
シミュレーション機能を実装しており、原価・利益を試算しながら見積り作成業務ができます。
また単価調整もワンクリックでおこなえるため、見積り作成作業が効率化するでしょう。
まとめ
工務店向け見積りソフトは多数ありますが、まずはクラウド型・オンプレミス型どちらが自社のニーズに近いかを絞り込んでみてください。
その上で自社既存ソフトとの連携が可能かをチェックし、操作性と費用を照らし合わせると選びやすくなります。
初めてソフト導入をおこなう場合は「自分ではシステムを選べない」と迷う方もいるでしょう。
建築現場博士がおすすめする工務店・建築業界の業務効率化ソフトはAnyONEです。
導入実績2,700社超の業界No.1基幹システムで、国交省「第一回 長期優良住宅先導的モデル事業」に採択されています。
エクセルのような操作感で、レイアウトもマウスで変更できるため、ITが苦手な方でも簡単にお使いいただけます。
また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。
大手・中堅企業様から一人親方様まで規模感を問わず、業務状況に合わせて様々な場面でご利用いただけます。