年上部下をマネジメントする役職に就いたものの、年上の部下との関わりが今まで経験ないため、どうマネジメントしたらいいかわからない上司は少なくないのではないでしょうか。
本記事では、そのような方に向けて、年上部下を指導する際のポイントについて解説します。
また、そもそもマネジメントとはどういったものなのかについても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マネジメントとは?
マネジメントとは、経営や管理といった意味を持つ言葉です。企業においては、目標を設定すること、目標達成に向けて人員を動かしながら活用すること、といった意味で扱われています。
ここでは、マネジメントについて詳しく解説します。
組織の目標達成
マネジメントを行う際は、組織の目標を設定し、その目標を達成できるように取り組むことが重要です。部下を持つ上司の場合、組織の目標達成に対する責任を負っているといえます。
例えば、売上目標を設定しているにもかかわらず、それを達成できなかった場合は、マネジメントを行う上司の責任です。
また、目標を達成するためには、目標達成に向けたプロセスの管理や社内外の関係機関・部署との連携などが欠かせません。
働く人たちを動かす
マネジメントを行う場合、部下の目標設定を行ったり、モチベーションがアップするようにしたりと働く人を動かすことも必要となります。
例えば、組織を構成する人員の観察や育成・指導、さらには、部下に対する評価やフィードバックなども部下を動かすためには重要です。
また、一人ひとりの能力を理解したうえで、能力を活かせるような業務を割り振ることもマネジメントを行う際には欠かせません。
社会貢献
マネジメントを行う際は、会社のことや部下のことだけでなく、会社と社会との関係性についても考える必要があります。社会への貢献度が高い企業は、さらなる発展を期待できるためです。
マネジメントを行う際は、設定した目標が社会に貢献できるものであるかどうか振り返ってみてください。
年上部下をマネジメントする基本
年上の部下をマネジメントする場合、以下の点に注意する必要があります。
ここでは、年上部下をマネジメントする際の基本的なポイントについて解説します。
現場では、年上の職人をマネジメントする機会が少なくないため、ぜひ参考にしてください。
年上部下の居場所作り
年上の部下といっても、それまでにさまざまな業務に携わり、知識や経験が豊富な人も少なくありません。年下上司は、部下のそういった経験などを尊重したうえでマネジメントを行うことが重要です。
例えば、年上部下が長年やってきたやり方で仕事を進めているにもかかわらず、年下上司がそのやり方を無視し、新しい方法を導入したとしましょう。
このとき、年上部下は自分のこれまでの取り組みが否定されたと考え、自分の居場所がないと感じてしまう恐れがあります。
こういった事態を避けるためにも、年下上司は年上部下の取り組みや経験を尊重することが必要です。部下も自分のことが尊重されていることがわかれば、ここは自分の居場所だと感じ、仕事に取り組む意欲も高まるでしょう。
部下との接し方
マネジメントを行う際は、年齢に関係なくすべての部下に対して平等に接することが重要です。
年上の部下と年下の部下で扱い方や接し方が違っていると「あの人のことだけ優遇している」と考える人が出てくる恐れがあります。
そうなると、部下と上司との間の信頼関係が悪くなる可能性があり、業務にも影響が出てくるかもしれません。
特定の部下に対してだけ関心を示すのではなく、公平性を意識して部下に接するようにしましょう。
また、接し方を考えるときは、「自分がこの接し方をしたら相手はどう思うだろうか?」と相手の立場に立って考えてみることも重要です。
立場と責任で物事を判断
年上の部下を持つと、どうしても年齢が気になってしまうかもしれません。
しかし、年齢で物事を考えるのではなく、仕事に対する立場や責任をベースにすることが重要です。
年上部下と年下上司の場合、仕事に対する責任は年下上司の方が大きいといえます。上司の判断は設定した目標にも大きく影響するでしょう。
そういった点を踏まえ、年齢を気にするのではなく、立場や責任を考慮して仕事に取り組むようにすれば、年上部下との適切な関わり方も見えてくるはずです。
年上部下とうまく付き合うポイント
年上の部下とうまく付き合っていくためには、以下の4点をおさえておきましょう。
自分の熱意をみせる
現場で働いている人の中には、仕事に対する熱意を大切にしている人も少なくありません。情熱があるからこそ、仕事に誇りを持ち、日々の業務に真剣に取り組んでいます。
そのため、上司も部下に対して仕事への熱意を示すことが重要です。年下の上司であっても、熱意を感じることができれば、年上部下も「この人となら一緒に仕事がしたい」と思ってくれるでしょう。
一方で、熱意がないと判断されると興ざめし、年上部下の業務効率などに影響が出るかもしれません。
礼儀をわきまえる
現場で働く人の中には、人との付き合いや礼儀を大切にしている人が少なくありません。そのため、上司だからといって年上の部下に対する態度や言葉遣いがきちんとしていなければ、信頼を失うことになるでしょう。
そのため、年上部下をマネジメントする際には、礼儀をわきまえることが重要です。
例えば、挨拶を大きな声でするだけでも、部下は礼儀がしっかりとしていると感じてくれるかもしれません。
また、部下であっても年上の人に対して、人としての尊敬の念を示し、敬語でコミュニケーションを取るなどしましょう。
注意・伝え方に注意する
上司である以上、部下に対して注意することや指示を出すことは日常的にあるはずです。
しかし、このとき伝え方次第で年上部下の耳にしっかりと届かない可能性があります。
例えば、注意するにしても「いつも言っているのになんでできないの?」といった伝え方だと部下に非があるとしても嫌な気持ちになるでしょう。
注意や指示を出す際は、部下一人ひとりの特徴を踏まえて伝え方に注意する必要があります。
年上部下の考えや悩みを聞く
年上部下と付き合っていくうえでは、コミュニケーションをこまめに取ることも欠かせません。
年上とはいっても、仕事のうえでは部下であるため、仕事に関する疑問や不安、悩みを抱えていることもあるでしょう。そういったときに、上司が部下の話に耳を傾けて聞くだけでも、部下は上司に対する信頼度が高まるかもしれません。
まとめ
今回は、年上部下を指導する際に覚えておきたいポイントについて解説しました。年上とはいっても部下であるため、特別扱いすることはできません。
一方で、人生の先輩として尊重し礼儀を踏まえることは非常に重要です。最初のうちは、こういった部分の線引きが難しいかもしれませんが、今回の内容を参考にしながら、年上部下の指導に取り組んでみてください。