建設業界でも、SFAの導入を検討する会社が増えています。
しかし、SFAに下記のような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
- SFAはそもそも何のことだか分からない
- SFAは何を目的に導入するものなのか分からない
- 建設業界の会社が導入して効果があるのか分からない
本記事では、SFAの概要からSFAに期待できる効果やSFAの選び方などを解説します。
SFAに少しでも興味のある方は、ご一読ください。
目次
SFAとは?
はじめに、SFAの概要など下記3つを解説します。
- SFAの概要
- 建設業界でSFAが注目されている背景
- SFAとCRMの違い
SFAの概要
SFAとは「Sales Force Automation(セールスフォースオートメーション)」の略称で、日本語では「営業支援ツール」「営業支援システム」といいます。
つまり、SFAは営業プロセスを見える化し、営業ノウハウや案件情報の蓄積・管理・分析をおこない、効率的な売上へと結びつけるツールです。
SFAを活用することで、個々の営業担当者が抱えているノウハウや情報の横展開をおこない、経験や長年の勘に頼らない営業活動が可能となります。
建設業界でSFAが注目されている背景
国土交通省(以下、国交省)によると建設投資額(名目値)の推移は下記の通りです。
2020年の建設投資額は63兆円で、20年前の2021年の61兆円からほとんど伸びていません。
また2015年から建築補修(改装・改修)投資額を計上していることを考慮すると、建設投資額は伸びていないどころか減っています。
現状、建設投資額は減ってしまっているため、1社あたり売上が小さくなり競争が激化していることが想像できるでしょう。
厳しい建設業界で生き残るために、コストを減らし効率的に売上を伸ばすためのツールとしてSFAが注目されています。
SFAとCRMの違い
SFAとよく比較されるものとして、CRMがあります。
CRMは『Customer Relationship Management(カスタマー リレーションシップ マネージメント)』の略称で、日本語では顧客関係管理といいます。
SFAは、営業担当者に着目したツールですが、CRMは顧客管理に着目したツールです。
CRMの主な機能は下記の3つです。
- 顧客情報を一元管理
- 案件情報の脱属人化
- 情報をタイムリーに確認・共有
建設業界がSFAを導入する効果
建設業界がSFAを導入して期待できる効果は、下記の4つです。
- 営業活動の可視化
- 営業プロセス脱属人化
- 営業情報の共有
- 効率的な新人教育
営業活動の可視化
優秀な営業担当者の営業活動を可視化できます。
営業プロセスは、目に見えづらくブラックボックス化しやすいです。
SFAに下記のことを蓄積すれば、優秀な営業担当者の行動を分析できます。
- 案件情報の入手方法
- 顧客との関係性の構築手法
- 顧客との関わり方
- 受注までの経緯
上記のような、営業プロセスに関する情報をSFAに集約させれば情報を探す手間が省け、営業活動の可視化を簡単におこなえます。
営業プロセス脱属人化
営業活動の可視化ができていると、営業プロセスの脱属人化もおこなえます。
営業ノウハウは個々の営業担当者に依存しやすいです。
そのため、営業担当者間で実力差が生まれやすく、毎回成績の良い営業担当者と悪い担当者がはっきりします。
営業の可視化で分かった優秀な営業担当者の営業手法を共有することで、チームメンバー全体のレベルを底上げ可能です。
営業手法を営業担当者にすべて任せてしまっていては、効率的に売上をアップさせることは難しくなります。
これからは、効果の高い営業手法を共有し、営業プロセスの仕組み化をおこなうことで個々の営業担当者の能力だけに依存しないことが重要です。
詳しく知りたい方は、工務店業務と属人化について解説している記事をご確認ください。
営業情報の共有
営業活動で得た情報の共有も、簡単におこなえます。
また紙ベースでの管理は、必要な情報を見つけづらく情報共有には不向きです。
情報共有はデータを蓄積するだけでなく、誰でも簡単に情報を検索できる仕組みがあって成立します。
SFAに情報を蓄積すれば、案件ごとに情報がまとまるだけでなく、必要な情報をすぐに調べられるため、情報共有に最適なツールです。
- 案件の進捗状況
- 案件のキーパーソン
- 顧客からの要望・クレーム
- 受注確度
上記のような顧客や案件に関する重要な情報は、情報共有の仕組みが整っていないと、営業担当者しか把握していない状況になりがちです。
案件に関する情報管理を1人の営業担当者だけに任せていると、仮に担当の営業担当者が退職してしまった場合、誰も案件について把握していないという状況が生まれてしまいます。
SFAを活用し、営業担当者しか知らない情報を可能な限り少なくし、情報を社内で共有できる仕組みを作りましょう。
効率的な新人教育
SFAは効率的な新人教育にも使用できます。
先述した通り、営業ノウハウやプロセスは個々の営業担当者に依存するため属人化しやすいです。
しかし、優秀な営業担当者の営業手法や過去の成功事例を管理・分析をして、仕組み化をおこなえば、経験のない新人でも優秀な営業担当者と同じ営業手法を使用できます。
営業活動のプロセスを標準化しマニュアルを作成することで、教育に掛けていた時間やコストを削減して、効率的に新人を育成可能です。
SFAの機能
SFAの主な機能は下記の5つです。
- 顧客管理
- 案件管理
- プロセス管理
- 日報作成
- 売上予測
顧客管理
顧客情報の管理がおこなえます。
顧客情報とは主に下記のような情報です。
- 顧客の名前・住所
- 顧客の役職
- 問い合わせ履歴
- 過去の案件や商談内容
情報をSFAに集約すれば、情報を探す手間が省けます。
営業担当者の退職で急な引き継ぎがあっても、SFAを活用すればスムーズに対応可能です。
案件管理
個々の案件管理もおこなえます。
案件を受注するまでにはいくつものステップがあり、経営者は案件ごとの進捗状況の把握が難しく、下記のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
- 案件の進捗状況はどうなっているか
- 進捗が停滞している原因は何か
- 受注確度はどの程度か
- 受注・失注原因は何か
案件の進捗が悪い場合、何かしらの対策を講じる必要があります。
しかし状況が分からなければ「アドバイスをおこなうタイミング」「アドバイスの内容」などが決まらず、いつの間にか失注してしまうといった事態になりかねません。
SFAに案件情報を登録し案件の進捗状況を見える化することで、経営者は受注までの障害や壁に対して適切な対処を行えるようになり、堅実な売上に結びつけられます。
プロセス管理
営業担当者の営業プロセスを管理・分析をおこない、効率的な営業活動が可能となります。
営業担当者自身は効率的に行動できていると思っていても、データを分析すると活動のムラやムダが発生していることが多いです。
- 引合獲得のための行動
- 顧客への訪問回数・訪問の時期
- 提案のタイミング
- 受注の経緯
上記の情報を蓄積・管理・分析できれば、成果を上げている営業担当者の行動パターンが分かるでしょう。
優秀な営業担当者の営業手法を共有すれば、チーム全体でムラやムダを減らすことができ、営業担当者全員が効率的な営業活動をおこなえます。
日報作成
SFAには日報を効率良く作成できる機能も備わっています。
例えば、テンプレートに沿って必要な項目を入力するだけで見やすい日報が完成の作成が可能です。
使用するテンプレートを社内でルール化すれば、担当者ごとのフォーマットの違いがなくなります。
また、クラウドに対応していれば、スマホやタブレットからでも日報を作成でき外出中の移動時間などの空き時間を有効活用をおこなえ、業務の効率化にもつながります。
売上予測
SFAに蓄積されている情報をもとに、経営者はブレの少ない売上予測が可能です。
SFAには下記のような顧客や案件に関するさまざまな重要情報が、蓄積されています。
- 進行中の案件数
- 案件ごとの受注確度
- 案件後ごとの見積り額・予想受注額
- 受注予定時期
上記のような情報が一箇所にまとまっていれば、経営者は営業担当者に個々の案件状況を聞く手間を省け、蓄積された情報を勘案して正確な売上予測を立てられます。
SFAを選ぶ際のポイント
活用できれば売上に貢献できるSFAですが、選び方を間違えてしまうと業務に定着せず導入費用がムダになってしまいます。
下記の3つのSFAを選ぶポイントを把握して、自社の業務に合うSFAを選択しましょう。
- 目的や自社の課題を明確にする
- 使用者の意見にも聞く
- サポート体制を確認する
目的や自社の課題を明確にする
はじめにSFA導入する目的や導入して解決したい課題を明確にしましょう。
一言にSFAといっても、高価格帯なものから低価格で導入できるもの、多機能なものや機能を厳選しているものまでさまざまです。
目的や課題を把握しておかないと、SFAによっては「そもそも目的を果たせない」「目的や自社の業務内容を考えたら低価格帯のSFAで十分だった」といった状況になってしまいます。
ムダな手間と費用を掛けないためにも、SFAに求めることをはっきりさせてからSFAを選びましょう。
使用者の意見にも聞く
候補のSFAがいくつか決まった場合、実際に使用する営業担当者にも意見を求めましょう。
日々SFAを使用して情報の蓄積を行うことは、営業担当者です。
経営者や管理者にとって使いやすいツールが、営業担当者にとって使い勝手の良いツールとは限りません。
実際の使用者の意見を無視して導入してしまうと、営業担当者が業務で使用してくれず業務に定着しないということも考えられます。
SFAを業務に定着させ活用するためには、営業担当者の協力が不可欠です。
経営者や管理者にとっての使いやすさだけでなく、営業担当者にとっての使いやすさも考慮してSFAを選びましょう。
サポート体制を確認する
サポート体制の確認は必ずおこないましょう。
どの企業のツールでも不具合やトラブルは発生します。
特に導入直後や業務定着前は、使い方が分かっていない分よりトラブルが起きやすいです。
不具合やトラブルが発生した際に、すぐにサポートやアドバイスを受けられる体制であれば、安心して使い続けられます。
価格が安く機能が充実していても、困ったときにすぐに相談できる体制が整っていない会社のツールは、安心して使えません。
サポート体制が充実していることは、後悔せずに使い続けられるポイントです。
まとめ
本記事では、SFAについて解説しました。
競争が厳しい建設業界では、営業活動を効率化して行くことが堅実な売上につながります。
SFAを活用できれば営業活動の効率化だけでなく、情報共有もスムーズにおこなえるようになり、情報の脱属人化が可能です。
SFAのようなITツールの導入を検討しているならば、営業活動だけではなく工務店業務全般を効率化できるシステムの導入も検討しましょう。
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