無料テンプレートはこちら

ZEH住宅とは?言葉の意味からメリットやデメリット、関連補助金まで解説!

2050年カーボンニュートラル実現に向けて、ZEH(ゼッチ)と呼ばれる住宅の普及が推進されています。

2030年までに新築住宅の平均でZEH実現が目指されるなどこれからの住宅建築の要となるZEHですが、ZEHの意味や内容について正直イマイチわかっていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はZEH住宅について、その特徴からメリットやデメリット、関連補助金まで解説します。

ZEH住宅とは?

ZEH住宅とは?

ZEHとは「Net Zero Energy House」の略で、一年間のエネルギー消費量が概ねゼロ以下となる住宅のことです。

断熱性能などの向上や高効率な設備システム、再生可能エネルギーを導入することで、エネルギーの消費量を抑えつつ自らエネルギーを創り出し、エネルギー消費量ゼロの実現を目指します

ここではZEH住宅について理解を深めるために、さらに以下2つを解説します。

ZEH住宅とは?
  • ZEH住宅の特徴
  • ZEH住宅の種類
ZEHの呼称について

ZEHは「Net Zero Energy House」の略であるため、その言葉の中に既にHouse(住宅)の意味が含まれています。

このため厳密には「ZEH住宅」という言葉は意味重複となりますが、本記事では広く使用されている「ZEH住宅」という言葉を使用します。

ZEH住宅の特徴

ZEH住宅は、以下3つの特徴を備えた住宅を指します。

ZEH住宅の3つの特徴
  • 断熱
  • 省エネ
  • 創エネ

断熱

ZEH住宅の特徴としてまずあげられるのが断熱性能です。
断熱材や断熱窓など一定以上の断熱性能を備えた強化外皮を採用することで、エネルギーを極力必要としない住宅である必要があります。

断熱材の例にはグラスウールやセルロースファイバー、硬質ウレタンフォームが、断熱窓の例としては断熱サッシやエコガラスがあげられます。

省エネ

省エネ性能では、例えば給湯器や照明など高効率な設備システムを導入し、一定以上の省エネの実現を求められています。

高効率給湯器の例にはエコキュートやエコジョーズが、高効率照明の例としてはLED照明や有機EL照明があげられます。

創エネ

陽光発電などの再生可能エネルギーを導入して、消費量を上回るエネルギーを創り出すなど創エネ性能が必要です。

再生可能エネルギーの例には太陽光発電のほか、エネファームやエコウィルなどの家庭用コージェネレーションシステムがあげられます。

家庭用コージェネレーションシステムとは、ガスから電気を作ることで自家発電を可能にするとともに、発電時の排熱を利用してお湯を沸かすシステムです。

【参考】住まいの情報ナビ ZEH仕様の設備・機器

ZEH住宅の種類

ZEH住宅には、大まかに分けて以下の3種類があります。

ZEH住宅の種類と関連用語
  • ZEH(Nearly ZEH、ZEH Oriented)
  • ZEH+、次世代ZEH+、ZEH+R
  • ZEH-M(Nearly ZEH-M、ZEH-M Ready、ZEH-M Oriented)

ZEH(Nearly ZEH、ZEH Oriented)

ZEHとは一年間のエネルギー消費量が概ねゼロ以下となる住宅であり、以下の4つの要件を満たす必要があります。

ZEHの要件
  1. 一定の断熱性能を有した強化外皮を採用している
  2. 再生可能エネルギーなどを除き、20%以上エネルギー消費量を削減している
  3. 再生可能エネルギーを導入している
  4. 再生可能エネルギーなどを加えて、100%以上のエネルギー消費量を削減している

Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)とは、一年間のエネルギー消費量概ねゼロ以下を『目指した』住宅であり、上記4つの要件基準値から見ると少し緩くなっています。

またZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)とは、都市部の狭い土地や雪の多い地域など地域的な制約によってZEHの実現が困難な地域で可能な限りZEHを目指した住宅であり、こちらもZEHよりも緩い要件基準値が設けられています。

それぞれの要件基準詳細は以下の通りです。

ZEH+、次世代ZEH+、ZEH+R

ZEH+とはさらに省エネ、創エネ性能を強化したZEHのことで、要件としてはZEHの4要件を満たしたうえでさらに以下2つを満たす必要があります。

ZEH+の要件
  1. 再生可能エネルギーなどを除き、25%以上エネルギー消費量を削減している
  2. 「更なる高断熱外皮」「充電設備または充放電設備」「HEMS」のうち、2要素以上を採用している
HEMSとは「Home Energy Management System」の略で、家電製品や給湯機器をネットワーク化することで消費量を把握、制御し省エネを促進するツールのことです。

次世代ZEH+とは、ZEH+にさらに「充放電設備」「蓄電池」「燃料電池」のうち1要素以上を採用している住宅です。

またZEH+Rとは、ZEH+にさらに「太陽熱給湯」「太陽光発電」「燃料電池」「蓄電池」のうち1要素以上を採用している住宅です。

ZEH-M(Nearly ZEH-M、ZEH-M Ready、ZEH-M Oriented)

ZEH-Mとは「Net Zero Energy House Manshon」の略で、一年間のエネルギー消費量が概ねゼロ以下となる『共同住宅』です。

ZEH住宅のメリット

ZEH住宅のメリット

ZEH住宅のメリットとしては以下の4つがあげられます。

ZEH住宅のメリット
  • 補助金の対象である
  • 経済的である
  • 快適性に優れており健康的である
  • レジリエンスが高い

補助金の対象である

詳細は後ほど「ZEH関連補助金」で解説しますが、ZEH住宅は多数の事業で補助金の対象となっています

2020年には最大115万円+α/戸(ZEH+Rを対象としたものの場合)の補助金が交付されており、導入コストを抑えられるようになっています。

経済的である

ZEH住宅は月々の光熱費を抑えられます

年間220,000円以上光熱費がお得になったという例もあり、太陽光発電などで創エネした場合は売電することも可能です。

快適性に優れており健康的である

ZEH住宅は断熱性に優れるため、年間を通して室温を一定に保ち快適な生活を送れます

また室温差を極力発生させないことにより、主に浴室で発生するヒートショックなどの健康リスクを防止できるでしょう。

レジリエンスが高い

レジリエンスとは回復力や復元力を意味する言葉で、建築においては主に災害時などにおける対応力を意味します

ZEH住宅は太陽光発電や蓄電池などの創エネにより非常時にも電力使用が可能です。

【参考】LIXIL LIXILのZEHが創るこれからの住まい

ZEH住宅のデメリット

ZEH住宅のデメリット

ZEH住宅のデメリットとしては以下の3つがあげられます。

ZEH住宅のメリット
  • 導入コストがかかる
  • デザインの制限
  • 太陽光発電の不安定性、メンテナンスの必要性

初期コストがかかる

ZEH住宅には省エネ・創エネ設備を導入する必要があるため、その分初期コストがかかります

補助金やランニングコスト削減による恩恵はありますが、導入時にコストが増加する点には注意が必要です。

デザインの制限

ZEH住宅には断熱性確保や太陽光パネル設置が必要なため、デザインが制限される可能性があります

具体的には大きな窓や吹き抜けが採用できない、屋根の向きや形状が選べないといった可能性が考えられます。

太陽光発電の不安定性、メンテナンスの必要性

ZEH住宅は太陽光発電による創エネが特徴の1つとなっていますが、天候によって想定の発電量を下回る可能性があります

また太陽光発電には定期的にメンテナンスが必要であり、修理の際には別途費用が発生する点にも注意が必要です。

ZEH関連補助金

ZEH関連補助金

ZEH住宅の導入は「経済産業省・国土交通省・環境省」の3省が連携して支援しており、豊富な補助金事業が展開されています。

ここではZEH関連補助金について、以下2つの対象別に計5つの事業をご紹介します。

ZEH関連補助金
  • 個人が対象の補助事業
  • 建築事業者などが対象の補助事業
補助金の対象となるためには

ZEHビルダー/プランナー、またはZEHデベロッパーの関与が必要です。

ZEHビルダー/プランナー、ZEHデベロッパーとは、一定以上のZEH普及目標を掲げその実現に努めているSII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)登録の事業者を指します。

個人が対象の補助事業

個人が対象の補助事業は以下の2つです。

個人が対象の補助事業
  • ZEH支援事業
  • 次世代ZEH+実証事業

ZEH支援事業

ZEH支援事業はZEHまたはZEH+を対象とした支援事業で、詳細の対象や補助額、公募方法は以下の通りです。

ZEH支援事業

次世代ZEH+実証事業

次世代ZEH+実証事業は次世代ZEH+を対象とした支援事業で、詳細の対象や補助額、公募方法は以下の通りです。

次世代ZEH+実証事業

建築事業者などが対象の補助事業

建築事業者などが対象の補助事業は以下の2つです。

建築事業者などが対象の補助事業
  • 超高層ZEH-M実証事業高層ZEH-M支援事業
  • 低中層ZEH-M促進事業

超高層ZEH-M実証事業、高層ZEH-M支援事業

超高層ZEH-M実証事業、高層ZEH-M支援事業は、ZEH-M(Nearly ZEH-M、ZEH-M Ready、ZEH-M Orientedを含む)のうち超高層、高層のものを対象としたもので、詳細の対象や補助額、公募方法は以下の通りです。

超高層ZEH-M実証事業、高層ZEH-M支援事業

低中層ZEH-M促進事業

低中層ZEH-M促進事業は、ZEH-Mのうち低中層のものを対象としたもので、詳細の対象や補助額、公募方法は以下の通りです。

低中層ZEH-M促進事業

まとめ

今回はZEH住宅について解説しました。

ZEH住宅の建築はこれからの建築の要となりますが、メリットやデメリット、関連補助金までしっかりと理解することで、施主にZEH住宅を提案できるようになるでしょう。

またZEH住宅をはじめ次世代の建築に対応していくためには効率的な業務運営が必要ですが、業務効率化にはシステムの導入がおすすめです。

建築現場博士がおすすめする工務店・建築業界の業務効率化ソフトはAnyONEです。
導入実績2,700社超の業界No.1基幹システムで、国交省「第一回 長期優良住宅先導的モデル事業」に採択されています。

エクセルのような操作感で、レイアウトもマウスで変更できるため、ITが苦手な方でも簡単にお使いいただけます。

また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。

大手・中堅企業様から一人親方様まで規模感を問わず、業務状況に合わせて様々な場面でご利用いただけます。

AnyONEで効率化できる主な業務
  • 顧客管理
  • 工事・施工管理
  • 見積り・実行予算・発注管理
  • 入出金管理
  • アフター管理

AnyONE
【引用】AnyONE