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施工管理の資格取得のメリットは?種類ごとの難易度とおすすめの資格も紹介

施工管理の資格取得のメリットは?種類ごとの難易度とおすすめの資格も紹介

施工管理は、建設現場において、工程や品質、安全、原価、環境などを管理する仕事です。

現場全体を監督・指導する立場であるため、管理者には国家資格が求められます。その国家資格の代表的なものが「施工管理技士」です。

施工管理技士になるためには、建設業法第27条に基づいた施工管理技術検定に合格しなければなりません。合格するには専門性の高い知識と一定以上の実務経験が必要とされます。

この記事では施工管理について以下のことを解説します。

この記事を読むと分かること
  • 施工管理技士の概要
  • 資格取得のメリット
  • 資格の種類と難易度
  • おすすめの施工管理資格

施工管理技士の資格取得を目指す方にとって有意義な内容となっていますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

施工管理技士とは

施工管理技士とは

施工管理技士は、建設業法27条に基づく国家資格で7つの種類があり、一級と二級に分かれています。

一級はその業種において工事規模の違いによる制限はないのですが、二級には業種ごとにいくつかの制限が設けられています。

当然のことですが、一級は二級よりも技術検定の難易度は高く、実務経験などの受験資格についても厳しく設定されています。

施工管理技士資格のポイント
  • 施工管理技士補とは
  • 施工管理技士の試験概要

施工管理技士補とは

2021年4月に建設業法が改正され、施工管理技士補という資格が新設されました。

一級および二級において、技術検定試験の第一次検定に合格すると、技士補という称号が与えられるようになりました。

施工管理技士補は、建設業における技術者不足解消が目的で新設され、主に監理技術者の補佐が仕事です。特に二級施工管理技士補の資格は、17歳以上であれば誰でも取得できるため、若年層の建設業流入が期待されています。

施工管理技士の試験概要

施工管理技士の試験概要は、詳細は各業種によって違いはありますが、ここでは共通する試験概要について説明します。

施工管理技士は、一級と二級に分かれていますが、それぞれ技術検定には第一次検定と第二次検定があります。第一次検定は択一式のマークシート方式、第二次検定は主に記述式による試験です。

一次試験は適切な施工管理のための基礎知識、二次試験は施工管理として高度な応用力を試される試験です。

資格取得のメリットとは

資格取得のメリットとは

施工管理の資格を取得することで、社会的評価が高い、やりがいのある仕事を任されるようになります。同時に給与アップや福利厚生の向上を目指すことが可能です。

ここでは資格取得のメリットを大きく3つ紹介します。

資格取得のメリット
  • 建設業界での評価が高まる
  • 監理技術者・主任技術者になれる
  • 給与や手当がアップする

建設業界での評価が高まる

建設業界は慢性的な人手不足となっています。また施工管理技士は高齢化が進んでいるのに後継者となる人材が足りていません。

企業は、技術者がいないから工事を受注できないという状況は絶対に避けなければなりません。ですから施工管理技士は、圧倒的な売り手市場となっています。

監理技術者・主任技術者になれる

施工管理の資格を取得することで、監理技術者や主任技術者になれるため、監督・指導的な立場でやりがいのある仕事ができます。

また施工管理技士の資格は専門的な技術や経験を持っているという証明になり、建設業界はもちろん、さまざま業種で活かすことが可能です。

給与や手当がアップする

人手不足で人材確保に躍起になっている企業は、施工管理の資格を持つ技術者を確保するため、給与や福利厚生を優遇する傾向にあります。また在籍する技術者の数は、会社の「経営事項審査」においてプラスに反映されるという側面もあります。

ただ実際の収入額は、会社や工事の規模によって差があることは覚えておいてください。

施工管理の資格の種類と難易度

施工管理の資格の種類と難易度

施工管理技士の資格は、施工管理を担うための国家資格です。資格は7種類あり、どの業種で働くかで必要な資格は違います。

この7種類の資格の概要と、直近の技術検定合格率を紹介します。目指すべき資格はどれかを検討する際の参考にしてください。

施工管理技士の資格は7種類
  • 建築施工管理技士
  • 土木施工管理技士
  • 電気工事施工管理技士
  • 管工事施工管理技士
  • 造園施工管理技士
  • 建設機械施工管理技士
  • 電気通信工事施工管理技士

建築施工管理技士


建設業の資格の中でも重要性が高く、資格所得のメリットも大きいと評価されている資格です。

建築施工管理技士の概要

一級は工事の規模に上限はなく、高層マンションや大型ショッピングモール、公共施設などの現場管理を担うことができます。二級は、建築、躯体、仕上げの3つの種類に分かれており、二級建築士とすべての分野を管理するためには、3種類すべての試験に合格する必要があります。

一級建築施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定27,25312,75546.8
第二次検定13,010 5,87845.2

二級建築施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定27,00411,42142.3
第二次検定14,909 7,92453.1

土木施工管理技士

安全で快適な生活を守るインフラの更新や災害復旧において大きな役割を果たす仕事です。

土木施工管理技士の概要

道路や橋梁、河川などの土木構造物の新設や修繕を行う工事の施工管理で必要となる資格です。二級は主任技術者、一級は主任技術者と監理技術者の職務を担うことができます。

一級土木施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定38,67221,09754.6
第二次検定24,462 7,03228.7

二級土木施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定27,46117,56564.0
第二次検定32,351 12,24637.9

電気工事施工管理技士

建造物の建設・増改修時に必要となる電気工事に関する施工管理の資格です。

電気工事施工管理技士の概要

建設現場の照明、変電、発電、送配電線、非常用電源、電車線、信号など各設備の設置工事を管理するのが主な仕事となります。一級と二級で仕事内容に大きな差はありませんが、扱うことができる工事の規模が違ってきます。

一級電気工事施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定16,8836,45838.3
第二次検定7,685 4,53759.0

二級電気工事施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定8,0274,46655.6
第二次検定4,768 2,94761.8

管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、建設現場において配管工事に係る施工管理に必要となる資格です。

管工事施工管理技士の概要

建築現場で冷暖房、空調、ガス管配管、浄化槽、上下水道配管、給排気ダクトなど各設備工事の施工管理を行うのが仕事です。この資格を取得しておくと、浄化槽設備士や給水装置主任技術者の資格取得で有利になります。

一級管工事施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定16,8397,23142.9
第二次検定6,618 3,76957.0

二級管工事施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定11,0516,27456.8
第二次検定8,316 4,96259.7

造園施工管理技士

カーボンニュートラルやSDGsなど、環境整備のニーズの高まりとともに、再注目されている業種の施工管理資格です。

造園施工管理技士の概要

一般的な庭園や公園のほか、屋上や壁面の緑化、緑化を中心とした地域や街並みの活性化など幅広い工種での施工管理や維持・育成を行うのに必要となる資格です。

一級造園施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定3,0911,36044.0
第二次検定1,471 67746.0

二級造園施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定2,9831,69156.7
第二次検定2,474 1,00540.6

建設機械施工管理技士

建設機械施工管理技士は、建設工事の機械化施工に従事する技術者の技術向上を目的として実施されています。

建設機械施工管理技士の概要

建設現場において、建設機械を管理するのが主な仕事であり、通常の施工管理だけでなく建設機械の検査を行うことができます。扱うことができる建設機械は6種類あり、二級は資格を取得した建設機械のみ使用できて、一級はすべての建設機械を使用できます。

一級建設機械施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定2,56067726.4
第二次検定866 45652.7

二級建設機械施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定6,7852.90542.8
第二次検定3,826 2,60968.2

電気通信工事施工管理技士

電気通信工事施工管理技士は、2019年に設置されたばかりの新しい資格です。

電気通信工事施工管理技士の概要

固定・携帯電話、インターネット、社内LANなどの新設、電波障害の調査、基地局設置など電気通信を幅広く扱うのが仕事です。電気通信の進歩は著しいものがありますので、今後も高い需要が期待できる職種です。

一級電気通信工事施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定7,3003,98254.5
第二次検定5,630 2,10837.4

二級電気通信工事施工管理技士の技術検定合格率(令和4年度)

受験者数合格者数合格率
第一次検定3,0741,81859.1
第二次検定3,557 1,26535.6

施工管理におすすめの資格

施工管理におすすめの資格
引用:国土交通省中部地方整備局

上記の表は、取得する資格によって監理技術者又は主任技術者となり得る建設業の種類がわかる表です。◎は監理技術者および主任技術者、〇は主任技術者の業務に就くことができます。

ご覧いただいて分かるように、同じ施工管理技士の資格であっても施工管理できる業種には違いがあります。

施工管理技士として、どのようなキャリアを積み上げようとしているかにもよりますが、一般的には一つの資格で、より多くの業種を施工管理できるほうがおすすめであるといえるでしょう。

おすすめの施工管理の資格として、建築施工管理技士と土木施工管理技士を紹介します。

おすすめの施工管理資格
  • 建築施工管理技士
  • 土木施工管理技士

建築施工管理技士

数ある施工管理技士の中でも、一級建築施工管理技士は、建設業分野の専門家としての評価を得ています。一級は17業種で監理技術者及び主任技術者を担うことができて、二級では図表のように3つの種別ごとに主任技術者に就くことが可能です。

土木施工管理技士

一級土木施工管理技士は、9業種で施工管理が可能です。二級土木施工管理技士は3つの種別に分かれており、主任技術者として、それぞれに担うことができる建設業の業種が違います。

いずれにしろ電気工事や管工事の施工管理技士に比べると、「つぶしが効く」資格であるといえるでしょう。

まとめ

今回は、施工管理技士の概要や資格取得のメリット、7つの施工管理の概要と難易度、おすすめする施工管理の資格などを解説しました。

施工管理技士の資格取得には、手間と時間がかかります。しかしこれは、専門知識や実務経験の証明であり期限切れのない資格です。

苦労はあっても、取得することに大きなメリットがあることは間違いありません。

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【引用】AnyONE

この記事の監修者

せいた

保有資格:建設業経理士1級、国際会計修士(専門職)、日商簿記2級、宅地建物取引士

大学卒業後、スーパーゼネコンに13年間勤務。
経理や財務に8年間、民間建築工事の現場管理に5年間携わる。施工実績は20件に及ぶ。