住宅を建築するうえで、工程管理は必須です。
工程管理のシステムが構築されていなければ、生産性の低下や作業効率の悪化につながり、売上高にも影響を及ぼしてしまいます。
とはいえ、工程管理手法に正解はなく、各工務店によって工程管理手法が異なっているのが現状です。
そのため、工程管理に苦戦している工務店は、安定した工程管理手法がないのかと模索している方もいるでしょう。
今回、工程管理の根本である目的と手順、手法を紹介します。最後には工程管理手法のクラウド化についても解説するため、参考にしてください。
目次
工程管理の目的
工程管理は大きく分けて、「納期管理」「品質確保」「生産性の向上」の目的があります。
納期を守るため
工程管理する一番の目的は、納期を守るためです。
工務店の場合、「着工日から引き渡し日までに遅延がないように完成させる」といった期日管理のために用いられています。
期日までに住宅を完成して引き渡しができなければ、クレームや遅延損害金を支払うことにもなりかねません。
工程管理により、作業内容スケジュールや作業日数、人員配置などの管理を効率よくおこなえ、予定通りの日数でお客様に住宅の引き渡しができます。
作業のシステム化による品質確保
作業工程を管理し、システム化することで、一定品質の住宅を生産することが可能となります。
住宅ごとに品質が異なってしまえば、クレームなどが発生することも考えられるでしょう。
しかし、適切な工程管理を実施し、作業を統一することで、安定的に同じ品質の住宅を生産できます。
生産性の向上
工程管理で住宅完成までの業務フローをシステム化することで、生産性の向上につながります。
工事中の段階で、次に必要な資材の発注や工事作業スケジュールなどを管理することで、発注ミスや段取りミスがなくなるため、無駄な作業がなくなります。
無駄がなくなれば生産性の向上に直結するでしょう。
また建築現場などでイレギュラーな事態が発生した場合でも、工程管理で人員や作業工程などを把握しておけば対応できるようにもなります。
工程管理の手順
適切な工程管理を実施するために、PDCAに基づいた手順で進めなければなりません。
PDCAは、より業務の円滑化や効率化をあげるために用いられる改善方法です。
工程管理においても、PDCAに用いて改善策を検討している工務店も多いため、ここでは工程管理手順について紹介します。
計画を立てる(PLAN)
適切に工程管理するためには、いつどれくらいの材料を工場で生産するかについて計画することがポイントです。
顧客から工事代金の入金があったタイミングで材料を発注してしまうと、着工日も遅れてしまい、引き渡し日にも影響が出ます。
そのため、ある程度の年間発注目標を立て、その目標にあった生産見込みを決めておくことで円滑に生産することができ、期日通りに住宅の引き渡しが可能となります。
年間の発注目標に合わせた生産量や生産タイミングなどの計画を事前に決めるのが、工程管理手法における第一段階です。
計画を実施する(DO)
計画した生産に合わせて、実施します。
しかし計画通り進むとは限りません。
「資材の発注や生産が遅かった」「生産した数量が多かった」など、計画の良かった点、悪かった点が浮き彫りとなるでしょう。
問題点を確認するためにも、計画実行の過程を観察し、現状を把握します。
問題点の抽出(CHECK)
計画を実行したうえで、どのような点に問題があったかをチェックします。
より円滑に計画を進めるため、問題点は明確であることが求められるでしょう。
問題点に対し、具体的な改善策を練ることで、次のアクションに移ることができます。
改善策を元に計画を実行する(ACTION)
改善策をもとに、再度計画を実行します。
計画を実行し、問題が無ければ、生産性の高い工程管理につながるでしょう。
しかし、問題があった場合は、再度計画を練り直してもう一度実行します。
この4つのサイクルを繰り返していくことで、生産性の高い工程管理のシステムが構築されます。
3つの工程管理手法
工程管理手法は3つに分けることができます。
従来の工程管理手法はホワイトボードやエクセルでの管理でした。
しかし、近年の工程管理手法は、クラウドシステムの導入を採用している企業が増えています。
ホワイトボードで見える化
オーソドックスでありながらもアナログな手法のホワイトボード管理ですが、誰でも目視できるというメリットがあります。
またすぐに修正できるため、工務店だけでなく、さまざまな業種の企業も採用しています。
しかしホワイトボードを確認するために、移動しなければならないデメリットや、工程管理表を作成するのに時間を要してしまう点は、非効率な面ともいえるでしょう。
そのため、大規模な計画ではなく、小規模なプロジェクトで記載項目が少ない工程管理などに向いている特徴があります。
エクセル・スプレッドシートで管理表の作成
Microsoft社のエクセル・Google社のスプレッドシートでの工程管理は、予算管理や原価管理など、他の管理内容と連動させることができるため、作業効率はホワイトボード管理より高くなります。
またエクセル・スプレッドシートはなじみのある方が多いソフトであるため、使い勝手が良く、複数人で共有できる点もメリットといえるでしょう。
一般的には、「ガントチャート」や「バーチャート」という工程表が用いられていますが、見えにくいなどという理由から、印刷して工程管理内容を確認している方も多いです。
ガンチャート工程表とバーチャート工程表について詳しく知りたい方は、バーチャートとガントチャートの違いをご覧ください。
またペーパーレス化が主流となりつつある現代では、コピー代というコスト面でも影響を与えてしまう点がデメリットでもあります。
クラウドシステムの採用
近年主流となってきたのがクラウドシステムを利用した工程管理です。
総務省が発表した「令和2年度通信動向調査の結果」によれば、7割近くの企業がクラウドサービスを採用していることが明らかとなりました。
クラウドシステムを用いた管理は、工程だけでなくデータ管理や個人スケジュール管理、電子メールとしても利用者が増えます。
スマホやパソコンなどがあればどこでもシステムの内容を確認することができます。外出先でも工程管理を確認することができ、職場に行かなくても済むでしょう。
また、端末に合わせて画面を拡大して確認することができるため、エクセルのように印刷するという作業も無くなります。
一見クラウドシステムは使い方が難しいと思われがちですが、従来のエクセルのように入力しやすく、使い勝手が良い商品も多数あります。
そのため利便性が高いという点がクラウドシステムの強みといえるでしょう。
工程管理手法をクラウド化にするメリット
先ほど紹介したクラウドシステムでの工程管理にすることで、以下の3つのメリットにつながります。
工程管理表作成の効率アップ
ホワイトボードやエクセルでの工程管理表の作成は、記載内容も多く、手間もかかるため、時間効率が悪いと感じるかもしれません。
しかしクラウド化により、工程管理に関連するシステムを連動させることができ、作業速度がスピーディーとなるため、時間を短縮して工程管理表を作成することが可能です。
工程の見える化
クラウド上で工程管理することで、現場工程スケジュールや進捗確認を可視化でき、現状把握がしやすくなります。
現場でレギュラーな事態が発生した場合でも、クラウド化することで社内情報共有がしやすく、関連部署との連携も円滑にでき、具体的な改善策を検討できるでしょう。
組織内の情報共有
工程管理をクラウド化にすることで、組織内での情報共有が可能となります。
「どの現場の生産が間に合っていないか」「これから工程スケジュールを作らなければいけない現場はどこか」などを各部署と情報共有することで、工程管理がしやすくなり、スムーズに工事を進められます。
また、組織内で情報共有することで、現場の工事が遅れる前に問題を察知できるでしょう。
工事状況や生産状況などを共有できれば、経営者の方も適切な判断がしやすくなります。
まとめ
今回、工程管理の目的と手法、クラウド化のメリットについて紹介してきました。
工程管理は納期を守るだけでなく、生産性の向上目的に利用されていますが、間違えた手順で工程を組んでしまうと、安定した売上にはつながりません。
また、工程管理表の作成時間効率も悪ければ、生産性の低下にもつながり、工程管理自体を見直しする必要があるでしょう。
そこで効果的なのが、クラウド化による工程管理です。
クラウド化にすることで、いつどこでも情報共有でき、時間効率、作業効率の上昇につながります。
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