工務店の受注管理は、工事の受注から納品までの一連作業を管理することです。
受注管理がうまくいかないと、クライアントとの合意形成や自社利益の最大化につながりません。
この記事では、工務店の受注管理の概要や必要性について、また具体的な管理方法を解説します。
目次
工務店の受注管理とは
工務店の受注管理とは、クライアントの注文を受けて施工し、納品するまでの業務の総称です。
受注から納品までの一連作業を意味する言葉で、具体的には以下のような業務が含まれます。
- 見積り
- 契約締結
- 工事内容の登録
- 納期確認
- 受注伝票・注文請書
クライアントからの依頼を受けて見積りを作成し、合意を得たあとに、契約へ進みます。
その次に自社システムに工事内容を登録して部門間で情報共有し、必要機材や外注を手配します。
納期を調整してから、実際に施工をおこない納品となるでしょう。
その間に発生する受注伝票の作成や注文請書作成なども、受注管理業務のひとつです。
工務店の受注管理はクライアント・自社のためにも必要
工務店の受注管理は、クライアントのみならず自社のためにも必須です。
クライアントとのコンセンサスの構築
受注管理が適切におこなわれていなければ、クライアントとの合意がうまくいきません。
見積りが甘ければ実際の請求額と誤差が生じ、トラブルとなるでしょう。
また、納期設定をいい加減にすれば、クライアントの希望日に施工が間に合わず、今後の依頼を逃す可能性も。
受注管理業務を正確におこなうことで、取引先との今後の契約見込み、およびクライアントの満足度も向上します。
別部門間での情報連携
受注管理業務では工事内容をシステムなどに登録し、別部門で作業対象の工事を把握したうえでそれぞれの部門での業務をおこないます。
施工のみが工務店の仕事ではなく、機材の発注や外注人材の雇用、また帳票作成は部門間の協力がなければ成り立ちません。
わかりやすく迅速に情報共有することで、自社内の連携が円滑となるでしょう。
納期スケジュールの確認
受注管理では、先方の希望納期に合わせて工事スケジュールを決めます。
先方の希望に合わせて無理な納期を設定し、自社作業員に負担をかけるような事態は避けるべきです。
先方の希望と自社のリソースを総合的に判断し、受注管理の工程でスケジュール設定を適切におこなうことは大切な業務といえるでしょう。
工務店における受注管理の課題と解決策
工務店において受注管理は非常に重要ですが、作業が多い分複雑と
なりがちで、多くの課題が散見されます。
工務店の受注管理における問題点は何かを把握し、より効率的かつスムーズに受注管理ができるように考えてみましょう。
見積りの精度の低さ
クライアントへ提出する見積りの精度の低さは、工務店において非常に重要な課題のひとつです。
競合を意識して見積りを低く設定して契約したは良いものの、最終的に請求額と誤差が出たり、自社の粗利計算がずれるリスクがあります。
契約を得るために安くすることのみを考えず、過去のデータなどを参照して正確な見積りを出す必要があるでしょう。
解決策として、自社が担当した工事データを参考により現実に近い見積りを出しましょう。また、自社のマスターデータをリアルタイムで更新し、差異をなくさなければなりません。
入力に手間がかかり業務負荷が増大
受注管理作業は、見積り作成から工事内容の登録、納期設定と工程表の作成など幅広い業務があります。
それぞれシステムやエクセルに入力することが多く、手作業でおこなうには時間がかかることが問題です。
事務作業担当者の負荷が多くなるばかりか、膨大なデータと数字を入力する中でミスも起こるかもしれません。
入力作業の負荷を軽減するために、システム内に事前にマスターデータを登録し、手入力する範囲を狭めるのが解決策です。
事前に登録したデータを用いることで負荷が減り、入力ミスも減るでしょう。
情報共有の煩雑さ
工事内容を登録したあとは、各部署に速やかに情報が連携されなければなりません。
しかし、システムを使っていない場合は連携が遅れ、入力者以外に情報が伝わりづらい可能性があります。
例えばエクセルで受注管理する場合、社内では確認できますが、外出している社員には伝わりません。
営業担当や現場に出ている監督者は、事務所に戻って内容を確認する必要があります。
移動時間のロスとなり、長時間労働にもつながるでしょう。
また、エクセルの情報は担当者がファイルを開かなければ内容が確認できません。
スマホ端末やデスクトップへの通知は出ないため、情報共有にタイムラグが生じるでしょう。
解決策としては、スマホアプリを提供している受注管理システムを使用することです。
外部にいても情報共有でき、リアルタイムで新規工事の情報を連携できます。
工務店における受注管理の方法
工務店における受注管理の方法は主に2つです。
それぞれの管理方法のメリットとデメリットを解説するため、自社の受注管理方法を見直すきっかけとしてください。
エクセルで管理
エクセルで受注管理表を作成し、そこに工事の分類や種別などを入力していく方法です。
エクセルのメリットとデメリットを解説します。
エクセルでの管理はシステム導入費用がありません。
すでにエクセルを使っている会社では、現場への研修を改めておこなう必要もないでしょう。
関数・数式を使用すれば入力も比較的簡単にできる点がメリットです。
反面、オンラインで共有する機能はついておらず、リアルタイムで情報を共有できません。
また関数や数式は便利ですが、専門的な分野であるため作業できる人員が限られ、属人化しやすいです。
入力ミスも起こりやすく、ファイルを紛失する可能性もあります。
また過去データを参照する作業がしづらく、業務を完璧に簡易化はできません。
受注管理システム
最もおすすめな方法は、受注管理システムを使うことです。
受注管理システムを導入するメリットとデメリットを解説します。
受注管理システムは過去の工事データを取り込み、マスタ登録して情報を呼び出すことができるため入力作業が大幅に簡易化します。
またフォームが統一されており、入力ミスの防止となる効果も。
アプリ版がある受注管理システムを用いれば、アプリで情報閲覧ができます。
エクセル連携ができるものを選べば、過去のデータや取引先情報の取り込みも簡単です。
帳票なども一括して管理できるため、受注管理作業を一括しておこなえます。
反面、エクセルと比較すると、導入費用がかかるためコスト面で厳しい場合もあるでしょう。
また作業に慣れるまでは、研修期間が必要となるので導入からしばらくは作業に抵抗を感じる社員がいるかもしれません。導入サポートの充実したサービスを選ぶといいでしょう。
まとめ
工務店の受注管理は、クライアントとの合意形成や適切な納期を守るためにも必要です。
また自社の業務効率化や利益率の把握にもつながるため、利益の最大化にもつながります。
しかし、受注管理システムを選ぶとしても、どれを選べば良いかわからない方もいるでしょう。
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