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建設業界で資格を取得するメリット・おすすめ資格10選を詳しく解説

建設業界で資格を取得するメリット・おすすめ資格10選を詳しく解説

建設業界で資格を取得していると、幅広い作業へ対応できるようになります。
しかし、建築業界ではさまざまな資格があるため「どのような資格を取得すればいいのかわからない」という悩みもあるでしょう。

建築業界では資格を取得しているかどうかによって、人材の需要は大きく変わります。
本記事では、建設業界で資格を取得するメリットからおすすめ資格10選まで詳しく解説します。

どのような資格を取得すればいいのか明確になるので、ぜひ参考にご覧ください。

本記事は下記のような方におすすめです
  • 建設業界で働いていて資格の取得を検討している人
  • 新しい仕事へチャレンジするために建設の資格を取得したい人
  • 建設業界でおすすめの資格について知りたい人

建築業界で資格を取得する必要性

建築業界で資格を取得する必要性

建築業界で資格を取得する必要性として、以下の2点があります。

建築業界で資格を取得する必要性
  • 建設業許可に関係する
  • クライアントへの信頼につながる

建設業許可に関係する

建築業界では、建築作業をはじめるためにいくつかの資格要件を満たしておく必要があります。
例えば一般建設業の場合、施工管理士の資格や実務経験が必要です。

ほかにも特定建設業をおこなうときは、一級建築士や技術士の資格が必要となります。
このように資格を所持している責任者が現場にいなければ、建設会社として仕事ができません。

建設業許可の欠格要件に1つでも該当していると仕事ができなくなるため、資格はとても重要な要素です。

クライアントへの信頼につながる

建築業に関連する資格を所有していれば、クライアントからの信頼につながります。
資格の取得には専門的な知識や技術を必要とするため、所有していない企業に比べて信頼性は高くなります。

また、建設会社としての強みにもなり、クライアントに向けてアピールできる要素の1つです。
継続的にクライアントから建築の案件をもらうためにも、資格の有無は信頼の高さにつながるといえるでしょう。

建築業界で資格を取得すべき5つのメリット

建築業界で資格を取得すべき5つのメリット

建築業界で資格を取得すべきメリットとして、以下の5点が挙げられます。

建築業界で資格を取得すべき5つのメリット
  1. 昇給・スキルアップにつながる
  2. 資格が必要な仕事に対応できる
  3. 自信がつく
  4. 需要が上がる
  5. 仕事の目標を持てる

1.昇給・スキルアップにつながる

建築会社に勤める社員が資格を取得すれば、上司から評価してもらえるようになって昇給やスキルアップへとつながります。
資格があれば企業にとって有利な立場となるため、責任のある仕事を任せられるようになります。

建築の資格はカードや証明書として発行され、企業への資格証明として見せることが可能です。

2.資格が必要な仕事に対応できる

建築業界では、資格を取得していなければできない仕事も多くあります。
例えば一級建築士や宅地建物取引士などは、資格を取得している人しか仕事が許されていません。

そのため建築の資格を取得をしていれば、幅広い仕事に対応できるようになります。
新しい仕事に挑戦できるきっかけにもなるため、周囲からの信頼を得ながら自分の価値を上げられるでしょう。

3.自信がつく

建築の資格は取得が難しいものもあるため、合格すれば自分の自信がつきます。
資格を取得するためには勉強が必要である、日頃から努力を続けなくてはいけません。

継続することで合格へとつながることを自覚でき、新しい物事に挑戦できるようになります。
また、資格を取得すれば転職にも有利なので、求められる人材となっていきます。

さらに新しい建築の資格を取得することにもつながり、自分にとっても大きなメリットとなるでしょう。

4.需要が上がる

建築の資格を取得していれば、企業からも必要な人材として評価されるようになります。
建築業界では資格がなければできない仕事も多いため、対応できる人材の需要は高くなっていきます。

とくに建築業界で働く従業員も高齢化が進んでおり、仕事を任せられる人材が少なくなっているのが現状です。
そのため建築の専門分野で資格を所有していれば、自分の需要も上がって幅広い仕事に挑戦できます。

5.仕事の目標を持てる

資格の取得は昇給やスキルアップにつながるため、目標を持って取得を目指せます。
目標を立てることで方向性が明確化されて、仕事にやりがいを持ちながら日々を過ごせます。

逆に仕事の目標がなければ、マンネリ化した作業のなかでやりがいを感じることは難しいです。
仕事の目標は自分のやりたいことにもつながり、モチベーション向上にもなります。

目標に進むことは充実した日々を過ごす重要な要素なので、強い意識を持って仕事ができる点は良いメリットでしょう。

建築業界の資格を選ぶポイント

建築業界の資格を選ぶポイント

建築業界の資格を選ぶときは、以下のようなポイントをおさえておきましょう。

建築業界の資格を選ぶポイント
  • 将来的に需要が高い資格を選ぶ
  • 仕事をしたい分野で選ぶ
  • 仕事内容で選ぶ

将来的に需要が高い資格を選ぶ

今後の働き方を考えるなら、将来的に需要が高い資格を選ぶようにしましょう。
需要が高い資格を所有していれば、必要なタイミングで新しい仕事を担当できるようになります。

建設業界では現場のデジタル化が進んでいるため、電子機器に関連する資格を所有していれば強みになります。
現在求められる資格を取得することも大切ですが、将来的な建築業界の変化を想定しながら最適な資格を選ぶことも重要です。

仕事をしたい分野で選ぶ

建築業界はさまざまな分野があるため、自分がどのような仕事をしたいかによって取得する資格を選ぶ必要があります。
建築業界の資格は、建設業法によって29業種に分類されています。

代表的な建築の分野は建築分野、土木分野、電気分野、造園分野、管工事分野の5種類です。
まずは自分の仕事をしたい分野は何かを考えてから、必要な資格の取得を目指すようにしましょう。

仕事内容で選ぶ

建築業界の資格を選ぶときは、仕事内容にチェックすることも大切です。
建築業界にはさまざまな職種があるため、分野が同じであっても取得すべき資格は異なります。

代表的な仕事内容として、施工管理やCADオペレーター、測量・積算、設計などがあります。
まずは自分がやりたい仕事内容を明確化して、実際に役立つ資格を取得するようにしましょう。

建築業界でおすすめの資格10選

建築業界でおすすめの資格10選

こちらでは、建築業界でおすすめの資格10選を紹介します。
資格の詳細や特徴、取得の難易度について詳しく説明していきます。

建築業界の資格について詳しく知りたい方は、各種施工管理技士資格について解説している記事をご参考ください。

1.建築士

建築士は、建築業界で最も有名な資格です。
国家資格となっており、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類に分類されます。

建築士の資格を取得していれば、設計や施工、工事監理など作業が可能です。
資格を取得するには環境や設備に関する「学科試験」と設計図面に関する「設計図面試験」の2つを合格しなければいけません。

合格率は一級建築士が最も難しく、次に木造建築士、二級建築士となります。
それぞれ細分化された資格について、詳しく解説します。

一級建築士

一級建築士は、全ての建築物を設計できる資格です。
受験資格は以下のとおりですが、「建築に関する学歴」については、入学年が平成21年度以降と平成20年度以前で要件が異なる点に注意が必要です。

一級建築士試験受験資格-建築技術教育普及センター
引用:一級建築士試験受験資格-建築技術教育普及センター

一級建築士の合格率は約10%となっており、建築士の資格では最も難易度が高いです。
幅広い建築物の取り扱いをしたいなら、資格の取得を目指してみましょう。

過去5年間の一級建築士試験結果データ-建築技術教育普及センター
引用:過去5年間の一級建築士試験結果データ-建築技術教育普及センター

二級建築士

二級建築士は、住宅規模の建築物を設計できる資格です。
面積300㎡以下、高さ13mかつ軒高9m以下の建築物を扱うことができるため、小規模な建造物に対応可能です。

受験資格は以下のとおりです。
学歴要件は入学年が平成21年度以降と平成20年度以前で異なり、実務経験要件は実務経験期間ごとに要件が異なる点に注意が必要です。

二級建築士試験受験資格-建築技術教育普及センター
引用:二級建築士・木造建築士の試験受験資格-建築技術教育普及センター

二級建築士の合格率は約20〜25%となっており、一級建築士に比べて取得しやすいです。

引用:過去5年間の二級建築士試験結果データ-建築技術教育普及センター

木造建築士

木造建築士は、木造住宅の建築物を設計できる資格です。
木造建築士は2階までの木造建築物のみ設計が可能となっており、ほかの建築士の資格に比べて範囲が狭いです。

資格の取得要件は二級建築士と同じですが、合格率は約30%〜40%と比較的高めとなっています。
まずは難易度の低い建築士の資格から取得したい方におすすめです。

過去5年間の木造建築士試験結果データ-建築技術教育普及センター
引用:過去5年間の木造建築士試験結果データ-建築技術教育普及センター

2.建築設備士

建築設備士は、建物の空調や電気、換気、排水などの知識全般を証明する国家資格です。
取得をすれば、実務経験や学歴を問わず二級建築士、木造建築士の受験資格が与えられます。
また、建築設備士として4年以上の実務経験があれば、1級建築士も受験可能です。

受験資格は以下のとおりです。

  1. 学歴を有する者[大学、短期大学、高等学校、専修学校等の正規の建築、機械又は電気に関する課程を修めて卒業した者]
  2. 一級建築士等の資格取得者
  3. 建築設備に関する実務経験を有する者

    ①~③それぞれに応じて建築設備に関する実務経験年数が必要です。

建築設備士の難易度は約20%となっており、国家資格のなかでは難しいです。
一次試験と二次試験の2つを合格しなければいけないため、実務経験を重ねながら知識を身につけるようにしましょう。

3.建築施工管理技士

建築施工管理技士は、建築に関わる管理を行える資格です。
管理内容には工程管理や原価管理、品質管理、安全管理などがあり、工事の完成をサポートします。

受験資格は以下のとおりです。

  • 大学卒業者・短期大学失業者・高等学校卒業者(学科によって必要となる実務経験年数は異なる)
  • 二級建築士合格者
  • 2級建築施工管理技士第二次検定合格者(実務経験5年以上)

一級建築施工管理技士と二級建築施工管理技士の2種類があり、資格の難易度は約40%となっています。
建築工事の現場を管理できるため、仕事には欠かせない資格です。

4.宅地建物取引士

宅地建物取引士は、不動産取引の専門家として建物の売買や交換などの取引ができる国家資格です。
日本国内に在住していれば、年齢や学歴に関係なく誰でも受験できます。

試験内容は学科試験のみとなっており、合格率は約15%となっています。
国の法律に基づいて建築の取引ができる資格であるため、建築に関わる幅広い仕事に対応可能です。

5.電気工事士

電気工事士は、建築の電気に関わる作業ができる国家資格です。
第一種電気工事士と第二種電気工事士の2種類があり、電気工事士法に基づいた作業ができます。

第二種を取得すれば一般住宅や小規模店舗などの電気工事が可能となり、第一種なら最大電力500キロワット未満の施設に対応可能です。
受験資格に制限はなく、電気主任技術者の資格保有者は第一種電気工事士の学科試験が免除されます。

難易度は約40%と比較的簡単なため、建築系の資格を初めて取得したい方にもおすすめです。

6.電気主任技術者

電気主任技術者は、事業用電気工作物の工事・維持・運用ができる国家資格です。
電気主任技術者は1種・2種・3種に分かれており、事業場の規模によって電気主任技術者免状の保有者を選出する必要があります。

3種を取得すれば電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物の工事・運用が可能です。
受験資格に年齢や学歴、性別、国籍などは必要とせず、筆記試験のみ通過すれば合格となります。

電気工事士とは異なって実技試験を必要としないため、合格の難易度は低いといえるでしょう。
電気工作物を使った工事や維持、運用などの仕事をしたい方におすすめです。

7.土木施工管理技士

土木施工管理技士は、国や自治体からの公共事業ができる国家資格です。
ダムや橋、道路、トンネルといった工事計画、工程・品質管理をおこなえます。

土木施工管理技士の資格には一級と二級があり、それぞれ学科試験と実地試験を受けなくてはいけません。
種目は土木のみに限定されており、試験問題では土木・鋼構造物塗装・薬液注入に関する試験が実施されます。

また、令和6年度より「施工管理技術検定」の受検資格が変わります
一次検定の受験資格は、学歴・実務経験年数に関わらず、令和6年度中における年齢が一級については19歳以上、二級は17歳以上となっており、二次検定の受験資格は以下のとおりです。

令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります-一般財団法人 全国建設研修センター
引用:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります-一般財団法人 全国建設研修センター

試験の合格率は約40%〜50%のため、2人に1人は合格できる計算です。
災害復旧の現場でも役立つ資格なので、需要の高い仕事をしたい方におすすめです。

8.建築積算士

建築積算士は、建築生産において材料の数量や人数から工事費を算出できる資格です。
積算の作業は工事に必要なモノや費用を明確にする作業であるため、建築業界では必要な存在となっています。

受験資格は満17歳以上となっており、性別や国籍は問いません。
試験の合格率は50%〜60%のため、建築関係の資格では取得しやすいです。

建築に関する管理を得意とする方におすすめの資格です。

9.造園施工管理技士

造園施工管理技士は、造園工事の工程や原価、品質、安全などを管理できる資格です。
都市公園や緑地公園の造園、道路の街路樹の緑化工事などができます。

受験資格は土木施工管理技士と同じです。

試験内容は学科試験と記述試験の2つとなっており、合格率は約30%〜40%なので施工管理技士資格のなかでは難易度が高くなっています。

造園工事の仕事に挑戦したい方におすすめです。

10.管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、管工事の施工計画作成や工程・品質・安全管理ができる国家資格です。
住宅やビル、工場など管に関する工事ができるため、建築の仕事には欠かせない資格となっています。

資格には一級管工事施工管理技士と二級管工事施工管理技士の2種類があり、学科試験と実地試験に合格すれば取得できます。
受験資格は、土木施工管理技士と同じです。

試験の合格率は約60%以上なので、比較的難易度が低くなっています。

建築業界の資格取得を目指す学習方法

建築業界の資格取得を目指す学習方法

建築業界の資格取得を目指すときは、以下のような学習方法があります。

建築業界の資格取得を目指す学習方法
  • 独学
  • 通信講座
  • スクール

独学

教本や動画などから、建築の資格について独学で学ぶ方法があります。
独学であれば場所や時間の制約がないため、自分のペースで学習できます。

例えば仕事終わりに毎日1時間の勉強をすることもでき、効率の良い学習が可能です。
しかし、自己流で学習をはじめると、学習へのモチベーションを維持することが困難になります。

そのため取得を検討する資格を持っている同僚や上司がいるなら、学習方法について相談すると良いでしょう。

通信講座

資格の取得に関わる講師や講座から学習したいなら、通信講座がおすすめです。
通信講座では資格に必要なテキストや教材が手に入るため、効率良く勉強できます。

また、独学と同じく場所や時間の制約がなく、自分の都合に合わせて学習が可能です。
さらに何度も繰り返して受講できるので、覚えるまで学習を続けられます。

ただし、受講にはインターネット環境が必要であり、少なからず費用も必要となります。
それぞれのメリットとデメリットを考慮しながら、効率良く学習したいなら通信講座を利用しましょう。

スクール

時間に余裕があるなら、資格を取得できるスクールで学習する方法も1つの手段です。
通学によって講師から学習できるため、わからない点があればすぐに質問できます。

同じように資格の取得を目指す受講生もいるので、モチベーションを維持したまま学習できる点も特徴です。
しかし、受講料が高く通学が必要になることから、人によっては手間に感じてしまいます。

仲間とともに高め合いながら学習をしたいなら、スクールを利用しましょう。

建築業界の資格の取得方法

建築業界の資格の取得方法

建築業界の資格を取得するには、受験資格を満たしたうえで試験の申し込みをしなければいけません。
資格によって申込日は異なるため、間違えないように事前チェックが必要です。

例えば一級建築士の資格であれば、学科試験と実技試験が指定の試験日に開催されます。
試験に合格後、登録申請を行うと資格の取得が完了となります。

資格の受験資格は時代によって変化することもあるので、定期的に確認しておくようにしましょう。

まとめ

今回は、建設業界で資格を取得するメリットからおすすめ資格10選まで詳しく解説しました。
建設業界では資格を取得することによって、昇給やスキルアップにつながり幅広い仕事へチャレンジできるようになります。

自分の自信がつくようになって需要も上がるため、周囲から求められる存在になるでしょう。
資格の取得をするときは、独学や通信講座、スクールから学習をはじめてください。

ぜひ当記事で紹介した資格の取得を目指して、建設業界で活躍できる人材になりましょう。

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【引用】AnyONE

この記事の監修者

中島崚真 (一級建築士 日本建築学会 会員)

1976年生福岡県出身。空間は人の感情に共鳴する。揺れ動く心と高鳴る胸の鼓動、揺り動かされる感情のデザインを意識して設計活動をしている。
design creation office FIVE COLOR[S] INK 一級建築士事務所