日産リーフとは、最大60kWhの大容量バッテリーを搭載したV2H対応の電気自動車です。
V2H導入を検討する施主から「日産リーフってどうなの?」「リーフに対応しているV2H機器を設置したい」などと、相談を受けることもあるでしょう。
本記事では、日産リーフの特徴や性能、V2H利用の概要や注意点、太陽光発電設備との併用がおすすめな理由を解説します。
目次
日産リーフとは
「リーフ」とは日産が販売している電気自動車です。
V2H機器導入相談にあたって対応車種についての質問が想定されるため、日産リーフについて、工務店の営業担当も基礎知識をつけておきましょう。
日産リーフの特徴
日産リーフとは、航続可能距離450kmの大容量バッテリーを搭載した電気自動車です。
電気自動車ならではの滑らかな加速と、蓄電池の代わりに利用できるなど、性能の高さが注目されています。
また200Vの倍速充電が可能で、寝て起きたらすでに充電が完了しているなど、従来の電気自動車よりも充電時間を短縮している点が特徴です。
日産リーフの性能
日産リーフの性能についてまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
バッテリー容量 | 40kWh/60kWh |
充電時間 | 40kWh:約8時間 60kWh:約12.5時間(急速充電ポート使用時) |
連続航続可能距離 | 322〜450km |
価格 | 408万1,000〜583万4,400円 |
日産リーフのバッテリー容量は、40kWhまたは60kWmの2種類です。
充電時間は急速充電ポートの仕様で8〜12.5時間と、短時間で充電できます。
連続航続可能距離は40kWhで322km、60kWhで450kmと、かなりの長距離運転が可能です。
価格は408万円からと高価ですが、日産リーフは国や自治体の補助金、エコカー減税が受けられます。
日産リーフはV2H対応!蓄電池利用も可能
日産リーフはV2H対応車であり、蓄電池の代わりとして利用可能です。
V2Hの導入を検討している施主の中には、これから電気自動車を購入する人もいるでしょう。
具体的にV2Hでリーフを使用した場合に、どの程度の電力を供給できるか解説します。
リーフのバッテリー容量は40〜60kWh
日産リーフのバッテリー容量は、40〜60kWhです。
家庭用の蓄電池の容量は10kWhが一般的であり、約4〜6倍の電池を貯めておけます。
例として、日産リーフに蓄電した電力だけで家電を動かした場合、おおよそ4〜5日は家電へ給電可能です。
一般的な家庭で1日に消費する電力は11.66kWhです。
【参考】家庭部門のCO2排出実態統計調査(家庭CO2統計)
日産リーフを移動用に使っていたとしても、自宅に戻っている夜間のみV2Hでリーフから家庭に電力を給電すれば、電気代を安くできるでしょう。
停電時も4日給電可能
日産サービスサイトによると、日産リーフの蓄電池(60kWh)をフルに使用すれば、停電時にも約4日間の給電が可能です。
万が一災害が起きて停電が発生した場合、リーフからの給電で家電を動かせます。
停電が長引きリーフの充電が切れそうになった場合は、周辺で一番近い充電スポットへ行き、電力を自宅へ運搬可能です。
実際に、千葉県千葉市に住んでいる日産リーフオーナーは、千葉県で発生した2日半の停電をV2Hで乗り切っています。
所有していた車は24kWhのリーフで、リーフの蓄電池の電力を使って最低限の家電を稼働。
充電が切れた場合は、周辺の復旧地域へリーフを使って移動し、充電して電気を運んでいました。
【参考】日産リーフとV2Hで2日半の停電を乗り切った 千葉 西郡さま
以上のように、日産リーフは実際に災害発生時の停電対策に活用されています。
日産リーフをV2Hで利用する場合の注意点
日産リーフでV2Hを利用する場合の注意点は、バッテリーの劣化速度です。
蓄電池は充電サイクルが増えるほど劣化します。
V2Hで日産リーフから給電した場合は、乗り物としての使用よりも充電サイクルが増えるため、バッテリー劣化が早くなるためです。
家庭への給電サイクルが多いとバッテリー劣化が早くなり、交換のタイミングが早くなるかもしれません。
日産では8年間または16万kmのどちらかを下回った場合は、バッテリーの交換対応ができます。
また日産リーフに限らず、一般的な蓄電池の寿命は8年程度とされているため、8年間は一般的な数値です。
日産リーフをV2Hで利用するなら太陽光発電の併用がおすすめ
日産リーフをV2Hで利用するなら、太陽光発電の併用をおすすめします。
V2Hでリーフから家庭へ給電するだけでも、電力の節約や停電対策になるでしょう。
しかし「もっと節電効果を高めたい」「電気自動車を有効活用したい」と施主が希望しているなら、併せて太陽光発電を勧めてあげてください。
電気料金の節約
太陽光発電と日産リーフ、V2Hの併用により、電気料金をより節約できます。
例えば日中は太陽光パネルで発電した電力を家電の使用に回し、夜間はリーフからの給電に切り替えれば、電力会社からの購入エネルギー料を大幅に削減できるためです。
また太陽光パネルで発電したエネルギーを使って、リーフの充電も可能です。
充電スポットへ行って充電するお金も節約できるため、電力コストを大きく下げられる可能性があります。
日産リーフへの急速充電
V2H機器からの給電で、日産リーフを急速充電可能です。
日産によると、一般的な充電は3kWhでしか充電できませんが、V2H機器経由であれば6kWhで充電できます。
【参考】日産電気自動車 充電について | 自宅で充電
充電時間が早いため、いざリーフを使用したいときに充電が不足しているという事態を防げるでしょう。
災害時の停電対策
日産リーフの電力だけを使用した場合、最大で4日間のみ電力供給が可能です。
ただし停電はいつ起こるか予測できず、停電発生時にリーフの充電が不足していたり、リーフに乗って外出中かもしれません。
太陽光発電設備を導入しておけば、日中は太陽光パネルからの電気を使い、家電などを動かせます。
またリーフが自宅にあれば、太陽光発電からリーフへの蓄電も可能です。
昼間に太陽光パネルで発電してリーフに蓄電、夜間はリーフの電力で家電を動かせば、万が一停電が長引いても安心です。
補助金を利用可能
日産リーフは最も安いランクでも408万円以上と高額ですが、補助金利用が可能です。
令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」を利用した場合の補助金額は、最大85万円の補助を受けられます。
また自治体ごとの補助金も利用すれば、さらに安価に購入可能です。
同時にV2H機器や太陽光発電設備も補助金利用が可能なため、施主の負担を抑えてV2Hを導入できます。
V2H機器の補助金制度については、以下の記事で解説しています。
まとめ
日産リーフは40kWh〜60kWhの大容量バッテリーを搭載し、蓄電池代わりにも利用できる電気自動車です。
V2H対応車であり、電力の有効活用や停電時の対策用としても注目されています。
V2H機器導入に興味がある施主が電気自動車を購入したいと考えている場合、工務店側に相談が来る可能性があります。
工務店の担当もV2H対応車種の機能や補助金制度について理解し、施主にとって最適かつ負担の少ない電気自動車を提案できるようにしておきましょう。
V2Hをより有効活用するためには、太陽光発電との併用もおすすめです。
しかしV2H機器と電気自動車に加え、太陽光発電設備も導入するとなると費用面がネックとなります。
工務店の担当としては補助金の利用、太陽光リースについても提案できるよう準備しておきましょう。
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